2010 Fiscal Year Annual Research Report
紫外LED励起による多点植物蛍光スペクトル計測に基づく植物生育診断
Project/Area Number |
21580318
|
Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
福地 健一 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 教授 (00218942)
|
Keywords | 植物診断 / 蛍光計測 / ストレス影響評価 / 紫外LED / 多点スペクトル計測 |
Research Abstract |
本研究は,従来の紫外レーザーの替わりに紫外LEDを励起光源として植物葉蛍光を取得し,植物生育診断を行う手法を確立することを目的としている。まず,NSPU510CS(日亜化学製)を用いて波長375nmのLED光源(LED375)を試作し植物葉蛍光の実測を行ったところ,クロマツ等の常緑葉の一部では励起光が表皮組織で強く吸収されてしまうためにクロロフィル蛍光を観察しにくいことが分かった。そこで葉の表皮を薄く剥ぎ取り分光透過率を測定したところ,多くの常緑葉表皮において約400nmより短波長の紫外領域で透過率が急激に減少することが明らかとなった。一方,励起波長が長すぎると波長530nmの蛍光(F530)が測定できず,クロロフィル蛍光(F685)との強度比F685/F530を指標とした活性評価が行えなくなる。そこで,新たに400nmで発光するLED光源(LED400)の試作を行った。強度特性,温度特性等から最適素子としてNS400L-ERLM (Nitride Semiconductors製)を選び,僅かな可視成分の除去にはブルーフィルターBLF-370B(シグマ光機製)を,葉の蛍光成分に混入する励起光自身をカットするためには紫外カットフィルターL41(カット波長410nm)を用いた。 試作したLED375及びLED400の性能を評価する為,これらのLED光源と同一波長付近で発振するレーザーダイオードLDM375.10.CW (LD375:発振波長375nm,オーテックス製)及びMLX-J12-405-20(LD405:発振波長405nm,KIKOH製)を用いて,クロロフィル濃度の異なるポトス葉の蛍光スペクトルを測定し比較を行った。LED375(65W/m^2)とLD375(64×10^3W/m^2)では,ほぼ同等の蛍光スペクトルが観測されたが,LED400(65W/m^2)とLD405(57×10^3W/m^2)では,LD405の方がクロロフィル蛍光が約30%強く観察された。また,試作した両LED光源(LED375及びLED400)を用いて,レーザー励起と同等の精度でポトス葉のクロロフィル濃度を評価できることが分かった。
|
Research Products
(1 results)