2010 Fiscal Year Annual Research Report
光合成モデルによるアジアの穀物収量と砂漠化および炭素吸収の支援システムの開発
Project/Area Number |
21580319
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
熊倉 俊郎 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (00272865)
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Keywords | 穀物生産 / 沙漠化 / CDM / 光合成モデル / モニタリング / 炭素 / CO_2 / 水稲 |
Research Abstract |
1)水稲について、植生指標NDVIのリアルタイムな予測のために,穀倉地帯の代表地点について,複数年におけるNDVIの平均的な生育曲線を求めた。この曲線を予測式に使うことができる。一方で、NASAはLANCE計画の一つとして重要な地域につき、MODISによるNDVIのリアルタイム提供を開始した。本研究では、両データによりNDVI予測を補完させる。 2)光合成速度と呼吸との関係から呼吸速度を計算し、純光合成速度(net PSN)を計算した。このnet PSNを時間積分して純生産量を推定した。 3)水稲と小麦について、この固定量と、収穫指数や作況指数を使った収穫量中の炭素量とを比較し、モデルの適用性とキャリブレーションを進め、水稲光合成モデルを完成した。 4)穀物中の炭素量と、光合成モデルによる固定量とを比較する炭素配分法により、水稲の光合成速度の推定法を検証することができた。 5)ユーラシアの草原域対象とした純光合成量推定システムを構築した。黄砂に関係する東アジアの草原の沙漠化に応用し、沙漠化の進んでいる地域を抽出し、研究発表している。 6)冬小麦モデルへの適用のために、既に推定している中国の石家荘に追加し、オーストラリアの小麦地帯であって、気象観測地点でもあるWestern AustraliaのKataningとVictoria州Laventonを選び、気象・衛星NDVI・収量統計を抽出した。関連データがそろうと、小麦モデルを適用可能となる。 7)水稲(国内)、小麦(米国)、草地(モンゴル)、森林(国内)について、本研究のモデルから計算された光合成速度を検証する別法として、各国の地上観測塔(Fluxnet)のデータから日最大光合成速度を抽出し、光合成速度の計算結果の精度の検討を進めた。なお、Fluxnetは熱収支インバランス問題のため大きな誤差を含む影響も考察した。
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Research Products
(10 results)