2011 Fiscal Year Annual Research Report
特殊観測技術による作物の収量構成要素・葉群構造推定のための新規光学的指標の構築
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21580320
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
芝山 道郎 独立行政法人農業環境技術研究所, 生態系計測研究領域, 上席研究員 (10354060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 英治 富山高等専門学校, 専攻科, 准教授 (00270885)
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Keywords | 農業工学 / 非破壊計測 / 分光反射 / 偏光 / 中間赤外 / 画像解析 / デジタルカメラ |
Research Abstract |
近接リモートセンシングにより、作物の各収量構成要素や生産構造すなわち葉面傾斜角分布などの形態情報を分光光学的・画像工学的にモニタリングするための新たな光学計測指標(群)を開発する。夜間計測、中間赤外域、偏光およびテクスチャ解析など、従来観測されなかった時間帯、波長帯域など未開拓な観測技術に着眼し、収量関連形質やそれらに影響を及ぼす形態学的データを取得する手法を開発し、将来は栽培技術や生理生態研究および育種現場への活用などを目指す。H23年度は 1.これまで未開拓だった中間赤外域(波長3~4μm)の野外分光反射特性による穂密度、穀粒成熟度等イネ収量関連形質の野外推定法に関する研究成果をとりまとめた論文を国際誌に掲載した。 2.前年度に試作したデジタルカメラと太陽光センサを組み合わせた定点連続二眼分光カメラの概要を論文発表した。この分光カメラを用いてイネ、ムギの野外反射率画像を定点で間歌撮影(10分間隔)し、週一回の作物生育調査データと組み合わせて解析した。このうちイネについて植物体の窒素濃度と関係の密接な葉色の推定手法(葉緑素量を植物体現存量と群落形態で補正)を考案し、論文投稿した(受理済)。さらに23年度春までに得られたデータを用いて、同手法のムギへの適用性を検討している。 3.夜間フラッシュ撮影が可能な直下視型定点撮影システム(特許審査中)により、作物の生育パラメータ(草丈と乾物重)の季節的推移を高い精度で推定可能な新規性の高い手法(前年度までに開発)をイネ、コーン、ダイズ、コマツナを使って検証し、結果を国際誌上や内外の学会で発表した。 4.水面反射を抑制する偏光フィルタ付きカメラで水田を定期的に撮影した。前年度作成したイネの草丈と葉色を推定するモデルの適用性を、今年度の画像を用いて検証し、良好な結果を得た。このモデルは斜方視画像を二次元フーリエ変換処理(FFT)して得られる数値の関数として表される。モデルの適用性をひろげるため、サーバーにアプロードされた画像を自動的にFFT解析するソフトを開発した。
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Research Products
(7 results)