2009 Fiscal Year Annual Research Report
ライグラス類野生化集団の高精度分布調査とエンドファイトによる生態影響の解析
Project/Area Number |
21580326
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
澤田 均 Shizuoka University, 農学部, 教授 (10183831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 雅幸 静岡大学, 農学部, 准教授 (30252167)
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Keywords | 外来植物 / 牧草 / 生態学 |
Research Abstract |
1.我が国で広く栽培・利用されている外来牧草は,しばしば野生化し,一部は農業雑草および環境雑草と化している。このような有害雑草化を抑え,適切に栽培・利用するには,その侵入および被害の実態を精査することが不可欠である。しかし,そのような研究は少ない。そこで,(1)基幹牧草を含むライグラス類をモデル植物として,その野生化集団の高精度分布調査法の開発,エンドファイト感染の分布状況の把握,(2)エンドファイト感染ライグラス類の種子食昆虫への影響の解明,(3)関連分野の最新情報の収集・整理,を目的とした。 2.静岡県安倍川の河川敷を調査地に定め,ライグラス類野生化集団の分布状況を高精度で把握するための調査法を検討した。高性能GPSを活用し,野生化集団のマッピング作業を重ねた。さらに22集団について,エンドファイト感染状況を調査した。感染率は全体に高いものの,集団間変異のあること,感染率と冠水の起こりやすさの間に関係のあることが示唆された。エンドファイトの垂直伝播効率も調べたところ,不完全な垂直伝播効率を示す個体の多いことが確認された。 3.エンドファイト感染種子の種子食昆虫への影響を知る目的で,種子採食実験の準備を進めた。まずエンドファイト感染種子と非感染種子を大量に入手した。次に種子食昆虫を捕獲し,飼育した。採食実験を実施したところ,エンドファイト感染種子の採食量が非感染種子より有意に少ないことが観察された。 4.エンドファイトおよび外来牧草の生態リスク研究分野の最新情報を収集・整理した。
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Research Products
(1 results)