2012 Fiscal Year Annual Research Report
ライグラス類野生化集団の高精度分布調査とエンドファイトによる生態影響の解析
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21580326
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
澤田 均 静岡大学, 農学部, 教授 (10183831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 雅幸 静岡大学, 農学部, 教授 (30252167)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 外来植物 / 牧草 / 生態学 / エンドファイト |
Research Abstract |
1.外来牧草の栽培は自給粗飼料生産の観点から重要であるが,これらの野生化・雑草化が起こっている。有害雑草化リスクを低減するには,野生化集団の侵入・拡散状況の把握に基づく効果的な管理の立案・実行が必要である。そこで,ライグラス類をモデル植物として,高精度分布調査の開発およびエンドファイト感染の分布状況を調べた。 2.静岡県安倍川の河川敷に侵入したイタリアンライグラス野生化集団を対象として,分布調査法の改良を重ねた。さらに静岡県袋井市および菊川市の農地周辺についても,イタリアンライグラス野生化集団の分布状況を調べた。その結果,長期間,除草剤グリホサートを連用しているにもかかわらず,同草種が旺盛に生育し,除草剤の効果が低減している場所を特定した。これらの場所から種子を採取し,シードバイオアッセイとグリホサート散布試験により,グリホサート抵抗性の程度を評価した。その結果,袋井市の12集団でグリホサート抵抗性を獲得していることを確認した。これは国内初のグリホサート抵抗性雑草の事例である。 3.エンドファイト感染率と環境要因との関係を調べるために,感染種子に高温・冠水を模した処理を加え,材料を養成した。次世代における感染状況を分析したところ,60℃20分間の処理で,感染個体率が30%に低下,垂直伝播効率も80%に低下することが分かった。 4.室内の摂食実験より,エンドファイトが感染したイタリアンライグラス種子のエンマコオロギ幼虫の体重への影響を調べた。感染種子を与えた区では,非感染種子を与えた区より,増体量が有意に低下した。感染ライグラスが蔓延すると,エンマコオロギの餌の量と質が低下することで,その成長が低下しうることが示唆された。 5.前年度に引き続き,エンドファイト分野の最新情報を収集・整理した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)