2010 Fiscal Year Annual Research Report
食肉軟化に関わるコネクチンドメインの微生物発現と精製、および機能
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21580330
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山之上 稔 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (30182596)
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Keywords | 食肉 / 熟成 / パラトロポミオシン / コネクチン / 遺伝子クローニング / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本年度の研究では、前年度に得た精製組換えコネクチンドメインと鶏肉から調製したパラトロポミオシンとの相互作用を調べることで、パラトロポミオシン結合部位の特定を試みた。一方でサルコメアZ線近傍の組換えコネクチンドメインに対する抗体作製を行った。その結果、以下の知見が得られた。 1.サルコメアA-I接合部のコネクチン領域を認識するT11抗タイチン抗体を、各精製組換えコネクチンドメインと反応させた結果、組換えI47-I51ドメインに結合し、他の組換えドメインには結合しなかった。T11抗タイチン抗体の抗原決定基はI48ドメイン内部に存在することが示唆された。 2.C1コネクチン断片はI44-I48ドメインで構成されており、C4の43-kDaコネクチン断片を構成するI64-A1ドメインとともにパラトロポミオシンに結合する可能性が示唆された。 3.各GST融合組換えコネクチンドメインとパラトロポミオシンとの結合をGST pull down assay法を用いて調べた結果、GSTとパラトロポミオシン間に非特異的結合がみられ、GSTの発色と組換えI64-I67およびI64-A1ドメインの発色に多少の差異が認められた。しかし明確ではないため条件の検討が必要である。 4.鶏サルコメアZ線近傍のコネクチン領域を大腸菌に組換えコネクチン断片として発現させ、ラットに免疫後、抗血清を調製した。抗コネクチンドメイン抗血清は組換えコネクチン断片のバンドに結合し、さらに熟成鶏肉から得られた筋漿中の20-kDaに相当するバンドに特異的に結合することが、ウェスタンブロット法で明らかになった。
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Research Products
(1 results)