2009 Fiscal Year Annual Research Report
山羊に対する飼料刷り込みおよびその放牧地雑草抑圧への応用の可能性
Project/Area Number |
21580333
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中西 良孝 Kagoshima University, 農学部, 教授 (30198147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 耕二 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (50381190)
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Keywords | 放牧 / 強害雑草 / 雑草防除 / 草地管理 / 山羊 / 飼料刷り込み / 行動 |
Research Abstract |
山羊を利用した放牧地強害雑草ギシギシ(以下、Rx)の生態的防除をより効率化することを目的とし、子山羊へのRx刷り込みの可能性ならびにそれが放牧地雑草抑圧に応用可能かどうかを明らかにするため、まず、Rx優占のイタリアンライグラス(以下、IR)草地で牛と山羊をそれぞれの区で同時に放牧した場合の採食行動を比較検討した。その結果、牛および山羊ともにIRを好んだ一方で、Rxを忌避したものの、忌避の程度は牛よりも山羊で小さいことが明らかとなった。また、Rxにはえぐ味成分であるシュウ酸が多く含まれ、これを家畜が好まないとされていることから、Rxの生育に伴うシュウ酸含量(HPLCにより分析)の変動と山羊の採食性との関係を検討したところ、山羊はRxの生育段階に関係なく採食し、シュウ酸が忌避物質である可能性は低いものと推察された。このことから、山羊に対するRx刷り込みの可能性が示唆された。そこで次に、幼齢期における子山羊へのRx刷り込みの可能性を追究するため、基礎飼料(市販ルーサンヘイキューブおよび稲ワラ)とRxを組み合わせた刷り込み試験を行い、刷り込み期間中(30~60日齢)の飼料選択行動の経日変化を検討した結果、刷り込み区の子山羊のRx採食率に大きな個体差がみられ、経日的に採食量が増加した個体と初めての完食が早かったものの、その後の採食量が大きくバラついた個体が認められた。さらに、非刷り込み区および刷り込み区において上記基礎飼料とRxの二者択一による嗜好試験を行った結果、両区ともRx嗜好性について特定の傾向は認められなかった。 したがって、刷り込み時期を早めても顕著な刷り込み効果が得られないことが明らかとなり、今後、他の刷り込み方法(Rx提示法、母山羊との同居など)の改善を図る必要性が示唆された。
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Research Products
(3 results)