2011 Fiscal Year Annual Research Report
山羊に対する飼料刷り込みおよびその放牧地雑草抑圧への応用の可能性
Project/Area Number |
21580333
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中西 良孝 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30198147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 耕二 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (50381190)
大島 一郎 鹿児島大学, 農学部, 助教 (60465466)
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Keywords | 放牧 / 草地管理 / 強害雑草 / 山羊 / エゾノギシギジ / 飼料刷り込み |
Research Abstract |
本研究は山羊を利用した放牧地強害雑草エゾノギシギシ(以下、Rx)の生態的防除をより効率化することを目的とし、幼齢期における子山羊へのRx刷り込み方法の違いがその後の飼料選択行動に及ぼす影響を検討したものである。申請者らは一昨年度成果から、Rx刷り込み時期を早めても顕著な効果が得られないこと明らかにし、昨年度成果から、Rx刷り込み方法の改善を図るため、細切して給与する方法を立毛状態(ポット栽培)で給与する方法に変更し、双子山羊に基礎飼料(市販ルーサンヘイキューブおよび稲ワラ)とRxを給与して刷り込み試験を行った結果、双子1組ではあるが、立毛状態のRx刷り込みによってその後の放牧地においてRx採食を促進する可能性を示唆した。しかしながら、統計処理に必要な例数(3組以上)が確保出来なかったことから、再現性を高めるために昨年度と同様の方法により刷り込み効果を検討した。双子4組および三つ子1組の子山羊計11頭を供試し、上記基礎飼料とRxを給与して刷り込み試験を行った結果、刷り込み期間前半に比べて後半で山羊はRxに関心を示す傾向を示したものの、採食量に個体間でばらつきが認められた。また、刷り込み終了後5ヵ月目の嗜好試験においては、刷り込みの有無に関係なくRxの採食比率が基礎飼料のそれよりも低く、双方に有意差は認められなかった。その後、放牧試験(Rxの相対積算優占度が9~19%の野草地)においては、Rxに対する採食植物頻度(GF)およびIvlevの選択性指数(SI)とも刷り込みによる違いはみられず、SIは刷り込みの有無に関係なく負の値となり、山羊はRxを忌避したことが示唆された。さらに、細切および立毛給与による刷り込みの影響を検討した結果、Rxに対するGFおよびSIに給与方法間で有意差は認められなかった。、 以上より、Rx刷り込み後5ヵ月目の嗜好および放牧試験においてRxの選択性に刷り込みの有無による違いが認められなかったことから、効果的な刷り込み方法を見い出すことは出来なかった。
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