2010 Fiscal Year Annual Research Report
動物のサイズ制御機構の分子メカニズムーマウスを用いた分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
21580344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加納 聖 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (40312516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森松 正美 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (70241370)
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Keywords | ボディサイズ / マウス / トランスジェニックマウス / 器官のサイズ / DDR2 / 個体の成長 |
Research Abstract |
コラーゲンレセプターであるDiscoidin Domain Receptor 2 (DDR2)は幅広い組織において発現しており、細胞増殖や生殖などに関する重要な機能を持つことが知られている。DDR2欠損マウスは骨格形成異常に伴う矮小性を示すことがわかっているものの、DDR2がボディサイズをどのように制御しているかなど、生体内における詳細な機能はあまり知られていない。本年度においては、昨年度に作成したコンストラクトを元に、DDR2に関するトランスジェニックマウスの作出ならびに培養細胞実験を行い、特にボディサイズ制御に焦点を当ててその機能解析を行った。 過去の研究からDDR2 KOマウスにおいて矮小性、さらに軟骨細胞増殖能の低下が見られたことを踏まえ、軟骨組織におけるDDR2の機能解析を行った。まず、軟骨特異的にDdr2 cDNAを過剰発現するトランスジェニックマウスを作出し、軟骨組織の解析を行ったが、その表現型については特に目立った特徴は見られなかった。次に、軟骨前駆細胞株(ATDC5)を用いたDdr2の発現抑制実験を行った結果、軟骨前駆細胞においてDDR2が細胞増殖、分化に抑制的に働いている可能性が示唆された。これまではDDR2は細胞増殖を促進する機能を持つことが予測されていたが、今回の軟骨特異的DDR2過剰発現トランスジェニックマウスの表現型、また軟骨前駆細胞株におけるDDR2の発現抑制実験により、DDR2は軟骨細胞増殖を抑制する機能を持つ可能性が初めて示唆された。
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