2011 Fiscal Year Annual Research Report
動物のサイズ制御機構の分子メカニズム-マウスを用いた分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
21580344
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
加納 聖 山口大学, 農学部, 准教授 (40312516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森松 正美 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (70241370)
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Keywords | ボディサイズ / マウス / トランスジェニックマウス / 器官のサイズ / DDR2 / 個体の成長 |
Research Abstract |
コラーゲンレセプターであるDiscoidin Domain Receptor 2 (DDR2)は幅広い組織において発現しており、細胞増殖や生殖などに関する重要な機能を持つことが知られている。「DDR2欠損マウスは骨格形成異常に伴う矯小性を示すことがわかっているものの、DDR2がボディサイズをどのように制御しているかなど、生体内における詳細な機能信あまり知られていない。本年度においては、昨年度に作成したコンストラクトを元に、DDR2に関するトランスジェニックマウスの作出ならびに培養細胞実験を行い、特にボディサイズ制御に焦点を当ててその機能解析を行った。 過去の研究からDDR2 KOマウスにおいて矮小性、さらに軟骨細胞増殖能の低下が見られたことを踏まえ、軟骨組織におけるDDR2の機能解析を行った。まず、軟骨特異的にDdr2cDNAを過剰発現するトランスジェニックマウスを作出し、軟骨組織の癬析を行ったが、その表現型については特に目立った特徴は見られなかった。次に、軟骨前駆細胞株(ATPC5)を用いたDdr2の発現抑制実験を行った結果、軟骨前駆細胞においてDDR2が細胞増殖、分化に抑制的に働いている可能性が示唆された。これまではDDR2は細胞増殖を促進する機能を持つことが予測されていたが、今回の軟骨特異的DDR2過剰発現トランスジェニックマウスの表現型、また軟骨前駆細胞株におけるDDR2の発現抑制実験により、DDR2は軟骨細胞増殖を抑制する機能を持つ可能性が初めて示唆された。 また、DDR2は様々な組織で発現していること、生殖器官において重要な機能を持つことから、軟骨組織以外の組織におけるDDR2の機能がボディサイズ制御に関与している可能性も考えられた。そこで、全身でDDR2を過剰発現するTgマウスの作出、解析を行うことにより、DDR2の未知の機能探索を試みた。その結果、全身性DDR2過剰発現マウスにおいて脂肪蓄積量低下に伴う低体重が観察され、さらに血中Leptin濃度が上昇していることが明らかとなり、DDR2が脂肪組織においてLeptin代謝に関与している可能性が初めて示唆された。
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Research Products
(5 results)