2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウシPNLIP DNA多型の検出および和牛脂肪交雑との相関解析
Project/Area Number |
21580347
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 宜永 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40253207)
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Keywords | 脂肪交雑 / 原因遺伝子 / PNLIP / DNA多型 / SNP / 相関解析 / 候補遺伝子 / 黒毛和種 |
Research Abstract |
PNLIP遺伝子は、ウシ脂肪交雑原因遺伝子の位置的機能的候補とみなされている。これまでの研究で、PNLIP遺伝子のプロモーター領域に存在するSNPであるrs41648172が、大分県有の黒毛和種種雄牛集団および大分県産の半きょうだい去勢肥育牛集団において、脂肪交雑の育種価と有意な相関を示し、Cアリルに対してTアリルが脂肪交雑に対してプラスの相加的効果をもつことを明らかにしてきた。 rs41648172 SNPのアリル頻度分布を、大分県の黒毛和種種雄牛および肥育牛集団、熊本県の褐毛和種種雄牛集団および肥育牛集団、日本短角種種雄牛集団および肥育牛集団、ホルスタイン種集団、ならびにブラウンスイス種集団において比較検討したところ、脂肪交雑についての選抜が歴史的に行われてきた黒毛和種集団とそのような選抜が行われてこなかった他の4品種との間で有意な差が検出され、黒毛和種ではTアリル頻度が高いという結果が得られた。こうして、rs41648172 SNPは、和牛の脂肪交雑向上を目指した選抜育種における有用な分子マーカーになりうると示唆された。 さらに、rs41648172 SNPが肉質形質とともに増体形質に対しても、影響するものか否かを検討するために、当該SNPと増体形質との相関解析を行った。rs41648172 SNPのCアリルをホモ型でもつ優良種雄牛の後代の半きょうだい去勢肥育牛367頭の集団を用いた相関解析の結果、有益Tアリルは増体形質である枝肉重量、一日当たりの増体量、ロース芯面積およびバラ厚を増加させる効果をもつことが明らかにされた。また、Tアリルをホモ型でもつ優良種雄牛の後代半きょうだい肥育牛587頭の集団を用いた解析においても、有益Tアリルは枝肉重量、一日当たりの増体量およびロース芯面積を増加させる効果を有していると判明した。 以上の結果より、PNLIPのrs41648172 SNPは和牛DNA育種を行うにあたっての有用なマーカーとなりうることが示唆された。
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Research Products
(6 results)