2010 Fiscal Year Annual Research Report
ホモKOブタ個体作成のためのdouble KO細胞の標準的取得法の開発
Project/Area Number |
21580350
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐藤 正宏 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (30287099)
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Keywords | ホモKOブタ / gene targetin / 薬剤耐性 / 体細胞核移植 / 胎仔性繊維芽細胞 / 遺伝子導入 / double KO |
Research Abstract |
特定の遺伝子機能が破壊されたいわゆるKOブタ個体を作成するには、マウスの場合と異なり、in vitroでのホモ(double) KO体細胞の作成、その体細胞核移植という経路を辿る。ブタの場合、ホモKO細胞の作成は、その後の実験のスピードを左右する重要な問題である。ヘテロKO細胞由来の個体に比べ、2年ほど実験時間が短縮されるからである。ホモKO体細胞の作成に至る種々の条件(薬剤耐性性等)が不明故、基本的な問題を検討した。その結果、ミニブタ胎仔性繊維芽細胞(PEF)は、G418, puromycin, blasticidine S, hygromycin B, zeocinといった様々な薬剤に感受性があった(論文作成中)。薬剤遺伝子導入細胞への高濃度薬剤耐性を調べた結果、G418、zeocinを除く他の薬剤では、濃度を高めることで、組換え細胞の死滅が誘導された。このことは、一種類のKOベクターを導入されたヘテロKO細胞(片方のalleleに乗る遺伝子のみが破壊)に再度同一のKOベクターを導入し、高濃度の薬剤で細胞を選別すれば、ホモKO細胞が取れることを示唆する。しかし、KOベクターをヘテロKO細胞に遺伝子導入し、高濃度の薬剤で選抜するも、PEF自体が増殖性を失う結果となり、PEF以外の他のブタ細胞に代える選択を迫られた。現在、腎臓上皮由来の細胞(PKE)でこの点を検討している。一方、neo遺伝子を内蔵するKOベクターを導入されたヘテロKO細胞にpuromycin, blasticidine Sへの各種耐性遺伝子を内蔵したKOベクターを導入し、puromycin,blasticidine Sなどの他の薬剤で細胞を選別することにより、ホモKO細胞を取得しようとも試みている。
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