2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580351
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝口 康 明治大学, 農学部, 講師 (80514158)
|
Keywords | 遺伝子 / 応用動物 / ゲノム / 畜産学 / 育種学 |
Research Abstract |
本研究は、表題の研究テーマを遂行するため、先行研究である「黒毛和種筋間脂肪前駆細胞株(BIP)分化の網羅的遺伝子発現プロファイリング」の研究結果を発展させ、脂肪交雑の作用機序解明と有用遺伝子マーカーの開発を目指す。平成22年度は、平成21年度の研究を継続し、BIP分化前後で有意(P<10^<-12>)に発現量が変化した遺伝子16種に着目した。比較対照細胞株は、脂肪細胞における栄養代謝経路の異なる非反芻動物マウス脂肪前駆細胞株3T3-L1を用いた。分化誘導・分化抑制(レチノイン酸(RA)添加)による経時的・RA濃度依存的スクリーニングを実施した。BIP分化誘導後0~12日(3日毎)に培養液交換とサンプリングを行った。レチノイン酸濃度依存的発現解析は、0,0.1,1.0,10μM濃度で培地添加し、分化誘導後0,3,6日に培養液交換とサンプリングを行った。遺伝子発現量解析は、リアルタイムPCR相対定量法を用いた。本実験は3回反復を行い、本スクリーニングを終了した。分化誘導時の両細胞株間における遺伝子発現パターン比較において、ユニークな動態を示す複数の遺伝子を検出した。中でも、成長・分化に関わるIGF-2活性の抑制に関与しているIGFBP-6遺伝子と中性脂肪蓄積を促進するADFPの発現パターンが、BIPと3T3-L1間で有意で顕著な違いを示した。このことから、この2つの遺伝子を脂肪交雑有用遺伝子マーカーの候補とした。平成23年度では、この2つの遺伝子に着目し、遺伝子過剰発現解析・遺伝子ノックダウン解析による詳細な機能解析を進める。更に、この2つの遺伝子領域におけるSNP探索を行い、相関解析を試みる。
|