2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580351
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝口 康 明治大学, 農学部, 講師 (80514158)
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Keywords | 遺伝子 / 応用動物 / ゲノム / 畜産学 / 育種学 |
Research Abstract |
本研究は、表題の研究テーマを遂行するため、先行研究である「黒毛和種筋間脂肪前駆細胞株(BIP)分化の網羅的遺伝子発現プロファイリング」の研究結果を発展させ、脂肪交雑の作用機序解明と有用遺伝子マーカーの開発を目指す。平成23年度は、平成22年度の研究を継続し、BIP分化前後で有意(P<10^<-12>)に発現量が変化した遺伝子16種(増加:8,減少:8)に着目し、分化誘導・分化抑制(レチノイン酸(RA)添加)による経時的発現動態・RA(1μM)依存的スクリーニングを実施した。脂肪細胞分化の指標として、中性脂肪蓄積と脂肪酸組成含量を定量した。比較対照細胞株は、脂肪細胞における栄養代謝経路の異なる非反鯛動物マウス脂肪前駆細胞株3T3-L1を用いた。遺伝子発現量解析はリアルタイムPCR相対定量法を、遺伝子機能解析はsiRNA法を用いた。 本研究の結果、(1)RA存在によって発現動態が異なる、(2)3T3-L1と発現動態が異なる、遺伝子6種を同定した。またRAは、中性脂肪蓄積が増大すること、一価不飽和脂肪酸組成であるオレイン酸割合を増加させることを明らかにした。中でも、ADFP遺伝子は分化誘導後遺伝子発現が増加し、かつRAによって更に活性化された。そして、発現パターンがBIPと3T3-L1間で有意で顕著な違いを示した。ADFP遺伝子のsiRNAを用いたノックダウン解析により、ADFPは中性脂肪蓄積を有意に促進させることを明らかにした。 現在、脂肪酸組成への影響と網羅的遺伝子発現解析を実施中である。今後は本研究計画にある、遺伝子マーカーの開発をおこなうために、ADFP遺伝子領域におけるSNP探索を行い、枝肉市場における脂肪交雑上位グループと下位グループを用いた相関解析を試みる。
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