2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580353
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
粕谷 悦子 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物生産生理機能研究ユニット, 主任研究員 (90355743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 まどか 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養研究領域, 上席研究員 (40355087)
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Keywords | 光 / ウシ / 成長ホルモン / ウルトラジアンリズム / 視床下部 / 下垂体 / 第3脳室 |
Research Abstract |
【目的及び方法】本研究は、ウシ成長ホルモン(GH)分泌調節に関わる要因のうち、環境要因としての「光」に焦点をあて、そのシグナルを(1)キュー(照明のオン・オフ)、(2)照明持続時間の二つに分類し、それぞれがウシGH分泌に及ぼす影響を明らかにすることで、中枢神経系によるGH分泌調節機構の一端を明らかにしようとするものであった。本年度は、日中を暗期とする「明暗反転」の新規実験を行う計画であったが、東日本大震災の影響で人工気象実験棟の運転が大幅に縮減されたため、環境馴致に長期間を要するこの実験の実施は困難となった。代替として、前年度に得られた12L:12Dから16L:8Dへの明暗周期変更によりGH分泌リズムの位相がずれるという結果を受け、16L:8Dにおいてずれた位相が12L:12Dに戻した場合にどのように変化するかを検討した。実験は、ホルスタイン去勢ウシを用い、前年度とほぼ同じ環境条件(温湿度22℃60%、明期500 1x暗期10 1x)で実施した。明暗周期を7日間づつ12L:12D(1期)、16L:8D(II期)、12L:12D(III期)と変化させ、各期の最終日に1時間間隔で24時間の採血を行って、血漿中GH濃度を測定した。【結果】1期において見られた周期6時間のGH分泌リズムは、II期においても同じ間隔でみられたものの、そのピークの出現時間に3-4時間の差がみられた。また、この差はIII期には消失し、1期と同様の間隔・出現時間に戻った。I~III期のいずれにおいても、暗期に見られるGH分泌のピークは消灯直後に出現した。【まとめ】これらの結果は、光のキューによりGH分泌リズムの規則性が変化することを示しており、暗期に光曝露するとGHのピークの出現が抑制されることを示した以前の報告とあわせて、ウシにおけるGH分泌リズムの形成が光刺激による抑制的な影響を受けていることを示唆している。
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Research Products
(1 results)