2011 Fiscal Year Annual Research Report
フォリスタチンファミリーの性状解析とその利用に関する研究
Project/Area Number |
21580359
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新井 浩司 東京農工大学, 農学部, 准教授 (70293016)
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Keywords | 蛋白質 / 生理活性 |
Research Abstract |
本研究はTGF-βスーパーファミリー結合タンパク質であるフォリスタチンファミリータンパク質の性状解析と、そのリガンド結合部位であると考えられているフォリスタチンドメインの構造を基にしたTGF-βスーパーファミリー阻害剤の開発を目的としている。フォリスタチンファミリーに属するフォリスタチンとFLRGタンパク質は、それぞれ3個および2個のフォリスタチンドメインをその分子内に含む。これまでの研究でフォリスタチンとFLRGは両者とも主に第二フォリスタチンドメインを介してリガンドに結合していることを明らかした。また、リガンド結合部位を含むフォリスタチン部分タンパク質にヒトMMP-2のコラーゲン結合ドメインを付加して、組織局在性を持つ組み換え型TGF-βスーパーファミリー阻害蛋白質の開発を試み、大腸菌での蛋白質発現系を確立した。しかし、大腸菌の発現系を用いて作製した組み換え型タンパク質ではアクチビン阻害活性が確認されなかったため、本年度は哺乳類細胞での組換え型フォリスタチン蛋白質の発現系を試みた。ヒスチジンタグを付加したフォリスタチン部分蛋白質をCOS-7およびCHO細胞で発現させたところ、CHO細胞で目的タンパク質の発現が確認された。また、CHO細胞で発現させたフォリスタチンの部分タンパク質をニッケルカラムで精製し、アクチビンに対する拮抗作用を確認したところ、用量依存性のアクチビン拮抗作用が認められた。しかし、目的タンパク質の発現量は少なく、また、ニッケルカラムで精製した際の純度も十分ではなかったため、タンパク質の発現システムと精製法に今後さらなる検討が必要とされる。
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