2009 Fiscal Year Annual Research Report
現象と発現の両解析法によって解明する家畜・家禽の味覚受容機構
Project/Area Number |
21580363
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田畑 正志 Kyushu University, 農学研究院, 教授 (40145503)
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Keywords | ニワトリ / 味蕾 / ガストデューシン / カルシウムイメージング |
Research Abstract |
家畜・家禽の味覚受容機構解明を目的に研究初年度に当たる平成21年度は、現象解析のためにニワトリ味蕾の単離培養法の確立を試み、一方、発現解析のためにニワトリ味覚受容体の探索と味蕾特異的G-タンパク質のガストデューシンに対する抗体の作成を試みた。ニワトリ味蕾は、口蓋および口腔底に多数存在している。口蓋上皮下にコラゲナーゼ、ディスパーゼ混合液を注入し、マイクロピペットで上皮細胞塊を吸引、採取した。ニワトリゲノムから予想されるガストデューシン塩基配列を用いて解析したところ、明瞭な発現が認められたことから、この細胞塊は、単離味蕾であると確認された。一方、ニワトリガストデューシン配列から合成タンパク質を作成し、これをウサギに免疫した。ウサギの血清を採取し、ウエスタンブロット法で確認したところ、45kD付近に明瞭な免疫陽性のバンドが確認された。さらにこの抗血清を用いると、ニワトリ口蓋に存在する味蕾細胞が特異的に免疫陽性反応を示した。以上の成果は、以下に掲載する学会で発表され、さらに国際誌において発表(印刷中)された。さらに本年度は、分子生物学的手法を用いてニワトリ味覚受容体遺伝子T1RsおよびT2Rsの発現解析を試みた。ニワトリT1R1遺伝子は味蕾含有組織のみに発現し、脳、心臓、肝臓等を含む臓器で発現が認められなかった。一方T1R3遺伝子は味蕾含有組織のみならず、多くの臓器でその発現が認められた。さらにニワトリは、哺乳類で報告されているT1R2遺伝子を持っていないことが、確認された。これらの成果は、日本味と匂学会において口頭発表し、同学会雑誌に掲載された。
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Research Products
(7 results)