臨床応用を前提としたエンドセリンの基礎的研究

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21580369
• Research Institution: Rakuno Gakuen University
• Principal Investigator: 打出 毅 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授 (20327456)
• Keywords: 獣医学 / 内科学 / 循環器 / エンドセリン / 腫瘍

Research Abstract

循環器疾患に罹患した動物(臨床例)を題材に、臨床検査データーと血中エンドセリン濃度との関係を客観的に評価し、エンドセリンの循環器疾患における病態マーカーとしての有用性を検討した。
研究対象を循環器疾患が疑われ酪農学園大学附属病院に来院したイヌとし、飼い主に研究目的を説明し、承諾を得た動物について行った。検討対象疾患は弁膜疾患(僧房弁逆流)とした。検査項目は、臨床症状(臨床的ステージ分類)、一般血液検査、胸部X線検査、超音波検査、血中エンドセリン濃度測定で、臨床的病期(臨床的重症度)と血中エンドセリン濃度の関連性について検討した。その結果、罹患犬では健常犬に比べ血中エンドセリン濃度の有意な上昇が確認されたが、臨床的重症度と血中濃度との間に有意な関連性は認められなかった。臨床的重症度と血中濃度との間に有意な関連性が認められなかったことは、血中エンドセリン濃度に大きな影響を与える肺組織におけるエンドセリン産生が僧帽弁逆流では顕著でないことを示唆している。
1.今回の対象動物群において、弁膜疾患にもとづく重度の肺高血圧症を併発する個体は含まれていなかった。
2.ヒトでは、肺高血圧症において血中エンドセリン濃度の顕著な増加と、病期と血中濃度の有意な関連性が示されている。
ことなどから、本年度は犬の肺高血圧症に焦点を絞り、病期と血中濃度の関連性を再検討する。

Research Products

• [Journal Article] Evaluation of immunological status in tumor-bearing dogs. (2009)
  • Author(s): Itoh, H., Horiuchi, Y., Nagasaki, T., Sakonju, I., Kakuta, T., Fukushima, U., Uchide, T., Yamashita, M., Kuwabara, M., Yusa, S., Takase, K.
  • Journal Title: Vet.Immunol.Immunopathol. 132 Pages: 85-90
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 臨床徴候からのアプローチ「腹腔内腫瘤」 (2010)
  • Author(s): 打出毅
  • Organizer: 日本獣医臨床病理学会2010年大会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 2010-02-14
• [Presentation] 肺に結節状腫瘤を呈した犬リンパ腫の1例 (2010)
  • Author(s): 苗村智水, 諌山紀, 加山朋, 中村篤, 平山和, 内田英二, 打出毅
  • Organizer: 日本獣医内科アカデミー2010年大会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 2010-02-14
• [Presentation] 気管支軟骨異形性による肺気腫を認めた犬の一例 (2010)
  • Author(s): 諌山紀子, 苗村智, 前田浩人, 平山和子, 内田英二, 打出毅
  • Organizer: 日本獣医内科アカデミー2010年大会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 2010-02-14
• [Presentation] 緩和的化学療法により長期維持されたLGLリンパ腫が疑われた猫の1例 (2010)
  • Author(s): 花園究, 打出毅, 中村健介, 中村篤史, 田村淳, 苗村智水, 諌山紀子, 廉澤剛, 内田英二, 北島哲也
  • Organizer: 日本獣医内科アカデミー2010年大会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 2010-02-14
• [Presentation] 肝疾患に伴う脾機能亢進症が疑われた犬に一例 (2009)
  • Author(s): 中村篤史, 花園究, 滝口充彦, 平山和子, 谷山弘行, 内田英二, 打出毅
  • Organizer: 平成20年度北海道地区三学会
  • Place of Presentation: 洞爺湖町
  • Year and Date: 2009-09-12
• [Presentation] Elevated endothelin-1 expression in dogs with naturally occurring cardiovascular disorders. (2009)
  • Author(s): Uchide, T., Saida, K., Sasaki, T., Temma、 K.
  • Organizer: Eleventh International Conference on Endothelin
  • Place of Presentation: Montreal, Canada
  • Year and Date: 2009-09-09
• [Presentation] Frog endothelins : cDNA cloning, sequence and evolutionary analysis of endothelins. (2009)
  • Author(s): Quan, J., Takizawa, S., Adur, J., Nara, E., Uchide, T., Saida, K.
  • Organizer: Eleventh International Conference on Endothelin
  • Place of Presentation: Montreal, Canada
  • Year and Date: 2009-09-09
• [Presentation] 肺原発と考えられたイヌのリンパ腫の1例 (2009)
  • Author(s): 苗村智水, 諌山紀子, 加山朋欣, 中村篤史, 平山和子, 谷山弘行, 内田英二, 打出毅
  • Organizer: 平成21年度北海道地区三学会
  • Place of Presentation: 札幌
  • Year and Date: 2009-09-04
• [Presentation] 人用シスタチンC検査試薬の犬への応用と実用性の検討 (2009)
  • Author(s): 内田英二, 山倉麻由美, 華園究, 町田竜彦, 松田憲児, 打出毅
  • Organizer: 平成21年度北海道地区三学会
  • Place of Presentation: 札幌
  • Year and Date: 2009-09-04
• [Presentation] 免疫介在性疾患に対するセファランチンの併用療法 (2009)
  • Author(s): 諌山紀子, 苗村智水, 中村篤史, 華園究, 内田英二, 打出毅
  • Organizer: 平成21年度北海道地区三学会
  • Place of Presentation: 札幌
  • Year and Date: 2009-09-04
• [Presentation] マキサカルシトール軟膏により高カルシウム血症を呈した犬の1例 (2009)
  • Author(s): 華園究, 川畑智敬, 中村篤史, 打出毅, 内田英二
  • Organizer: 日本獣医内科アカデミー2009年大会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 2009-02-15
• [Presentation] 長期生存を認めたイヌのT細胞性消化器型リンパ腫の一例 (2009)
  • Author(s): 西田暁子, 中村篤史, 華園究, 金修敏, 濱田興, 堀知織, 薮崎尚弘, 平山和子, 谷山弘行, 内田英二, 打出毅
  • Organizer: 日本獣医内科アカデミー2009年大会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 2009-02-15