2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580370
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
橋本 統 北里大学, 獣医学部, 講師 (90317058)
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Keywords | インスリン感受性 / エネルギー代謝 / メタボリックシンドローム / 肝臓 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
アクチビンはTransforming growth factor(TGF)-βスーパーファミリーに属する分化・増殖因子で3種類の分子種(アクチビンA、AB、B)が知られており、FSH分泌促進をはじめ様々な機能が報告されている。新規アクチビン(アクチビンCおよびアクチビンE)の生物学的機能は未解明な部分が多いが、アクチビンEは糖/エネルギー代謝に重要な役割を有することが分かってきた。 昨年度までに作製した肝臓特異的にアクチビンEを過剰発現するトランスジェニック(TG)マウスは、コントロールと比べ体重が低下しており、通常時、絶食時ともにコントロールに比較し低い血糖値を示した。さらに糖負荷試験およびインスリン負荷試験の結果インスリン感受性が亢進していることが考えられた。この結果は全身性にアクチビンEを過剰に発現しているTGマウスのデータと一致していた。高脂肪食給餌下においてもTGマウスの体重は、限定された期間ではあるが、有意に低い値を示したことから、アクチビンEが抗メタボリック作用を有することが確認できた。 これまでに組換えアクチビンEの精製を試みてきたが、十分なタンパク質を得られていない。そこで、アクチビンEと結合することが分かっている受容体の細胞外ドメインの組換えタンパク質を作製してアフィニティー精製に利用した。アクチビンEを産生する安定形質発現細胞株の培養上清を出発材料に精製を行ったところ、少量ではあるが純度の高いアクチビンEを精製することが可能となった。このアクチビンEの脂肪細胞に対する影響を確認したところ、白色脂肪においてエネルギー代謝が亢進したと考えられる変化を確認することができた。
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