2011 Fiscal Year Annual Research Report
カンピロバクター・ジェジュニのアメーバ内増殖機構の解明
Project/Area Number |
21580381
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
角田 勤 北里大学, 獣医学部, 准教授 (80317057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 伸二 北里大学, 獣医学部, 教授 (80137900)
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Keywords | カンピロバクター / アメーバ / 伝播 / 細胞内生存 |
Research Abstract |
昨年度、トランスポゾン変異株ライブラリーを作製し、アメーバとの共培養において増殖性が低下した菌株を選択したが、選択された株の中にPairedsmall multidrug resistance protein(PSMR)遺伝子にトランスポゾンが挿入された株があった。この変異株(0604H)のPYG培地での増殖性は野生株と同等であったが、アメーバとの共培養では培養24時間の時点で野生株と比較して500分の1の増殖率を示した。今年度はこの遺伝子に着目し解析を進めた。C.jejuni 81-176のゲノム上には2組のSMR遺伝子が見いだされた(Smr1:Cjj331とCjj332,Smr2:Cjj1188とCjj1189)。これまでに研究されてきた他の細菌のSMRはquaternary ammonium compunds(QAC)に対する耐性に関与することが報告されている。そこで、smr1、smr2、smr1smr2ダブル欠損株を作製し、QACに対する感受性を調べた。しかし、塩化ベンザルコニウム、テトラフェニルホスホニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロライドに対するそれぞれの変異株の感受性を野生株と比較したが際立った相違を見いだすことができなかった。次に、1日齢ニワトリ雛の動物感染モデルを用いて変異株の感染能を調べたが、smr1とダブル変異株で感染能が低下傾向を示したが有意な差ではなかった。今後はアメーバ内での増殖動態を野生株と詳細に比較することが必要であると思われる。
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