2009 Fiscal Year Annual Research Report
牛複合性呼吸器疾患の画像および分子生物学的病態評価と高張食塩液治療の確立
Project/Area Number |
21580393
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
鈴木 一由 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 准教授 (30339296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 豪紀 酪農学園大学, 獣医学部, 准教授 (00305905)
安藤 貴朗 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (40406898)
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Keywords | 牛 / 気管支鏡 / 高張食塩液 / 呼吸器疾患 / 肺炎起因菌 |
Research Abstract |
ウシの複合性呼吸器疾患の病原微生物としてPasteurella multocida、Mannheimia haemolytica、Mycoplasma bovis、 Mycoplasma bovirhinits、 Haemophilus somnus等が挙げられている。本研究では本学動物病院に来院した呼吸器疾患ウシの血清、鼻汁、咽喉頭ぬぐい液および気管支洗浄液(BALF)を用いてMultiplex PCR法によるウシ肺炎原因菌の簡易検出技術を確立するとともに、その臨床応用法について検討を行う。平成21年度は、症例および対照子牛からBALF液の採取および各種画像診断を実施した。その結果、対照群および症例群をそれぞれ20および21頭確保したため、現在は各種検査項目の測定を行っている。その途中経過として次の結果が得られている。 (1) 呼吸器疾患子牛の血清アミノ酸動態の検討 肺炎子牛では健常子牛と比較してほとんどの血清中必須アミノ酸濃度が低値を示していること、また、肺炎子牛のフィッシャー比((Ilu+Leu+Val)/(Tyr+Phe))が健常子牛の6.58±4.60に対して1.67±0.94と有意に低値を示し、ヒトと同様に呼吸筋の過剰運動による筋肉疲労が示唆された。 (2) マイコプラズマ検査 咽口頭ぬぐい液による肺炎起因筋の検査と並行してBALF中のマイコプラズマをPCRにより検出したところ、21頭全てのBALF液からMycoplasma bovisが検出された。また、Mycoplasma bovis以外でもMycoplasma bovirhinitsなどの複合感染症例も多く、現在は血清型解析中である。
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