2009 Fiscal Year Annual Research Report
小動物の悪性腫瘍における受容体型チロシンキナーゼ異常の解析と分子標的療法の確立
Project/Area Number |
21580395
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
盆子原 誠 Nippon Veterinary and Life Science University, 獣医学部, 講師 (50343611)
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Keywords | 猫 / 肥満細胞腫 / c-kit変異 / イマチニブ |
Research Abstract |
本研究課題では、猫の肥満細胞腫におけるc-kit変異の検索とチロシンキナーゼ阻害剤による抗腫瘍効果について検討した。猫の肥満細胞腫の68%においてc-kit変異が見られることが明らかとなり、さらにこれらのc-kit変異は、exon 8および9にコードされる第5イムノグロブリン様ドメイン(IgD)に頻発する(60%以上)ことが示された。In vitro哺乳細胞発現系において、Exon 8および9に変異を有するKITはリガンド非依存性にリン酸化が亢進し、さらにこのリン酸化はKIT阻害剤イマチニブによって抑制されることが示された。そこでExon 8および9に変異を有する肥満細胞腫の臨床例に対してKIT阻害剤イマチニブを使用したところ、8症例中7症例で抗腫瘍効果が認められた(Isotani et al.2010)。猫の肥満細胞腫においてc-kit変異は重要な発生メカニズムであり、KITを標的とする分子標的薬で高い治療効果が得られると考えられた。また、猫の肥満細胞腫の分子標的療法を行う上で、今回発見したc-kit変異を事前に検査することは治療効果の予測に有用であり、臨床応用が可能であると考えられた。
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Research Products
(5 results)