2010 Fiscal Year Annual Research Report
小動物の悪性腫瘍における受容体型チロシンキナーゼ異常の解析と分子標的療法の確立
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21580395
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
盆子原 誠 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (50343611)
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Keywords | 犬 / 肥満細胞腫 / c-kit変異 / イマチニブ |
Research Abstract |
これまで犬の肥満細胞腫に対するイマチニブの治療効果は、KIT膜近傍領域をコードするエクソン11の変異に関連することが示されてきた。一方、犬の肥満細胞腫においてKITの変異は必ずしもエクソン11のみに起こるのではなく、他の領域にも発生することが知られている。しかしながら、このような変異が臨床的な治療効果と関連するのかは不明である。本研究課題22年度は、エクソン8に変異を有する症例とエクソン9に変異を有する症例について、変異によるKITの機能獲得性ならびにキナーゼ阻害薬イマチニブの治療効果を評価した。これらの変異はいずれも幹細胞因子非依存性にKITリン酸化を引き起こす機能獲得性の変異であり、変異KITを強制発現させた細胞によるin vitroの解析では、イマチニブはこれら変異KITのリン酸化を抑制することが示された。さらに、これらの変異を有する肥満細胞腫の臨床例に対してイマチニブによる治療を実施したところ、著しい抗腫瘍効果が見られた。したがって、犬の肥満細胞腫ではエクソン11の変異のみならず、エクソン8および9に変異を有する場合においてもイマチニブが臨床的な効果を示すと考えられた。
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Research Products
(7 results)