2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21580402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 与一 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (70252517)
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Keywords | バイオマス / 菌類 / 遺伝子 / 応用微生物 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
石油資源の枯渇と地球温暖化問題への対応が急がれている中で、木質系バイオマスは、食糧と競合しない循環型のバイオマス資源として、その変換利用に社会的要請が高まりつつある。担子菌類に属する白色腐朽菌は、木材中に存在する難分解性の高分子リグニンを分解する能力を持っており、その特有の酵素群を大量に調整しリグノセルロースの糖化の際に併せて用いることができれば、前処理に必要とされるエネルギーや酸などの環境負荷を大きく低減することが期待されている。本研究は、白色腐朽菌のリグニン分解酵素生産のメカニズムについて分子生物学的なメスを入れることを目的とする。本年度は、昨年度までに確立した選択的リグニン分解菌における、染色体上への組込み位置やコピー数による影響を受けない一過性の遺伝子発現系を用いたプロモーターアッセイ系の評価を行った。gpd遺伝子は、解糖系の鍵酵素(glycelaldehyde-3-phosphate dehydrogenase)をコードしており、転写量の高いハウスキーピング遺伝子として知られている。本研究では、選択的リグニン分解菌Ceriporiopsis subvermisporaのgpd遺伝子プロモーターからの転写開始に必要となる塩基配列を明らかにするために、1233~0bpに至る様々な長さのプロモーター領域を持つ14株からなる欠失シリーズを作成し、ハイグロマイシン耐性遺伝子の発現を行わせることによって、転写開始活性を比較した。その結果、基本的な転写開始には翻訳開始点の上流141bpが必須であることが明らかになった。次にこの領域の塩基配列をin silicoで解析したところ、TATAA box,CT-rish motifの他、真核生物の転写においてしばしば観察されるSp-1,AP-1,GCN4結合配列、などが存在していることが明らかになった。現在これらの配列の重要性を評価するため、様々な変異株を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りに、担子菌類においては初めてとなる正確なプロモーターアッセイ系を用いて、glycelaldehyde-3-phosphatede hydrogenase(gpd)遺伝子の転写開始に必要となる塩基配列の決定が終了した。また、このようにして決定された最小領域内の塩基配列について、他の真核生物で報告されている基本配列や転写因子結合配列が見つかり、これらの機能解明に向けた変異株の作成が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により確立された、白色腐朽菌におけるリグニン分解酵素発現をコントロールするメカニズムの解明を進めていくことで、担子菌にユニークなタンパク質発現系の特徴を明らかにし、バイオマス前処理に利用できる有用酵素の大量生産系の確立を目指していく。
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Research Products
(5 results)