2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルオゾンを利用した効率的な水耕培養液の殺菌・浄化
Project/Area Number |
21580407
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉置 雅彦 Meiji University, 農学部, 教授 (20227268)
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Keywords | 水環境 / 環境技術 |
Research Abstract |
環境に配慮した効率的な培養液殺菌・浄化技術の開発が急務となっているが、従来の培養液の殺菌・浄化法は経済性や効果、植物に及ぼす影響等の面で課題を残している。最近、バブル径をマイクロレベルまで微小にする技術が開発され、水相におけるバブルの安定性を飛躍的に高めた。本研究は、オゾンのマイクロバブルを水耕栽培システムに利用し、培養液の継続的・効率的な殺菌・浄化システムを開発して、環境に配慮した廃液ゼロの半永久的培養液循環利用が可能な水耕システムを実現するための基礎的知見を得ることを目的とした。 平成21年度は、フザリウム菌および軟腐病菌の2種類の植物病原菌を用いてコンテナ実験を行い下記の結果を得た。(1)植物や人体に及ぼす影響の極小化およびランニングコストの低減等の観点からは溶存オゾン濃度は低いほど良い。オゾンをマイクロバブル化した場合に培養液の殺菌・浄化が可能な有効下限溶存オゾン濃度は0.1ppm程度の極めて低濃度でも十分であった。(2)レタスを水耕栽培し、(1)のマイクロバブルオゾン濃度において生育量(地上部および根)と品質(アスコルビン酸含量、クロロフィル含量、糖含量)に及ぼす影響について検討し、その濃度では植物の生育や品質への影響は無い。(3)(1)のマイクロバブルオゾン濃度において培養液の肥料組成に及ぼす影響について検討し、その濃度では培養液の肥料組成への影響はない、ことを明らかにした。 散気管で発生させたオゾンを用いた従来の殺菌・浄化法に比べて、数分の1程度のオゾン濃度で極めて効率よく培養液の殺菌・浄化が可能であることが明らかとなり、水耕栽培の殺菌・浄化法に変革をもたらす可能性がある新規的な研究成果を得た。
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Research Products
(4 results)