2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダイサーおよび2本鎖RNA結合タンパク質を利用したウイルス抵抗性植物の作出
Project/Area Number |
21580411
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福原 敏行 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90228924)
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Keywords | ダイサー / 2本鎖RNA結合タンパク質 / ウイルス / RNA干渉 / シロイヌナ / カブモザイクウイルス |
Research Abstract |
ダイサー遺伝子(DCL1-4)、リボヌクレアーゼ遺伝子(RTL2)、2本鎖RNA結合タンパク質遺伝子(DRB1-5)を過剰発現しているシロイヌナズナの系統およびそれら遺伝子の変異系統について、ウイルス抵抗性能を評価する実験を行った。緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を組み込んだカブモザイクウイルス(TuMV-GFP)およびキュウリモザイクウイルス(CMV)を用いてウイルス接種実験を行ったが、これまでのところ明確にウイルス抵抗性が向上した系統は見つかっていない。 これら遺伝子の過剰発現系統および突然変異系統のRNA干渉能を評価するために、カロテノイド合成酵素遺伝子に対して人工的にRNA干渉を誘導し、光脱色の程度(葉の白色化)を指標に視覚的にRNA干渉能を評価できる植物を試験に用いた。ダイサー、DRB遺伝子の突然変異および過剰発現系統とRNA干渉誘導系統を交配し、そのF2世代でRNA干渉の程度を評価した結果、DRB3遺伝子がRNA干渉シグナルの細胞間の広がりに関与するという予備的な研究結果を得た。 昨年度確立したダイサー活性(2本鎖RNA切断活性)を直接評価する実験系を用いて、DCL4のダイサー活性におけるDRB4の役割を生化学的に解析した結果、DRB4の2本鎖RNA結合活性およびタンパク質間相互作用活性が、DRB4のDCL4のダイサー活性を促進する活性に必須であり、その活性はDRB4のN末端領域に存在する2本鎖RNA結合ドメインに由来することを明らかにした。この成果は、国際的に評価の高い"RNA"誌に発表した。
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Research Products
(7 results)