2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダイサーおよび2本鎖RNA結合タンパク質を利用したウイルス抵抗性植物の作出
Project/Area Number |
21580411
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福原 敏行 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90228924)
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Keywords | ダイサー / 2本鎖RNA結合タンパク質 / ウイルス / RNA干渉 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
2本鎖RNA結合タンパク質遺伝子(DRBI-5)を過剰発現しているシロイヌナズナの系統およびそれら遺伝子の変異系統について、ウイルス抵抗性能を評価する実験を行った。緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を組み込んだカブモザイクウイルス(TuMV,ポティウイルス属)を接種したタバコの感染葉を接種源としてウイルス接種実験を行った。DRB2,DRB3,DRB4遺伝子を過剰発現した系統では、病徴がマイルドになるといった傾向が見られ、GFP蛍光観察によるウイルス増殖の評価においても、増殖が抑えられているといった傾向が見られた。また、これらの系統に、トマトモザイクウイルス(ToMV,トバモウイルス属)を摂取した場合にも、同様に病徴が軽減される傾向が見られた。 このようなDRB遺伝子を過剰発現した植物に対してウイルスを接種する実験と並行して、シロイヌナズナを用いてダイサー活性(2本鎖RNA切断活性)を直接生化学的手法で評価する実験系を確立した。シロイナズナには、4種類のダイサー(DCL1-4)が存在することが知られているが、その中でDCL3およびDCL4の活性を簡便に検出する実験系を確立した。DCL3とDCL4は、長鎖2本鎖RNAを切断した際の生成物が、それぞれ24塩基および21塩基と異なることからくシロイヌナズナの粗抽出液を用いてそれぞれの酵素活性を分けて検出することができた。また、それぞれの特異抗体を用いた免疫沈降法による粗精製画分を用いても、それぞれのダイサー活性を検出することができた。DCL3とDCL4の酵素活性を比較すると、基質となる2本鎖RNAの鎖長により酵素活性が異なることが明らかとなった。また、至適塩濃度も異なるという結果が得られた。
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Research Products
(11 results)