2009 Fiscal Year Annual Research Report
イネで機能する翻訳エンハンサーのゲノムスケールでの探索
Project/Area Number |
21580413
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 晃 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (80283935)
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Keywords | 生物・生体工学 / 植物 / 発現制御 / ポリソーム / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究は、単子葉のモデル植物であるイネで機能する翻訳エンハンサーをゲノムスケールで探索し、有用組換え植物作出への活用を図るとともに、高翻訳効率を規定するmRNA内の共通配列に迫ることを目的としている。 1.イネで機能する翻訳エンハンサーをゲノムスケールで探索 (1)ポリソームプロファイルの条件検討 イネ培養細胞から抽出液を調整し、mRNAをリボソームの結合数に応じてショ糖密度勾配により分離するポリソームプロファイル解析を行なった。RNA量の指標とした254nmの吸光度を測定した後、勾配液を8画分に分割し、各画分から調製したRNAをアガロースゲルにて泳動し、rRNAの分布を調べた。その結果、翻訳が行なわれているポリソーム画分として第1~3画分を、また、より活発に翻訳が行なわれており、翻訳エンハンサーを持つmRNAが含まれると予想される画分を第1画分とした。 (2)DNAマイクロアレイ解析 第1~3画分と第1画分から調製したmRNAをセットで蛍光ラベルし、イネDNAマイクロアレイを用いて定量した。2回の独立した実験を行ない、再現性を確認するとともに、各画分に存在するmRNAの存在比を数値化した。この数値が高い程、翻訳エンハンサーを持つmRNAである可能性が高い。実際、この数値が高かったmRNAの中には、これまでにイネから単離した翻訳エンハンサーOsADH 5'UTRを持つOsADH mRNAも含まれていた。 2.翻訳エンハンサーの検証 今後、ポリソーム/マイクロアレイ解析より得られた候補mRNAの5'UTRが、確かに翻訳エンハンサーであることを確認するために、各種5'UTRを連結したレポーターmRNAをin vitroで合成し、イネ培養細胞プロトプラストを用いた一過性発現実験を行う予定である。
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[Journal Article] Effect of the Sequence Context of the AUG Initiation Codon on the Rate of Translation in Dicotyledonous and Monocotyledonous Plant Cells.2010
Author(s)
Sugio, T., Matsuura, H., Matsui, T., Matsunaga, M., Nosho, T., Kanaya, S., Shinmyo, A., Kato, K.
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Journal Title
J.Biosci. Bioeng. 109
Pages: 170-173
Peer Reviewed
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