2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネで機能する翻訳エンハンサーのゲノムスケールでの探索
Project/Area Number |
21580413
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 晃 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80283935)
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Keywords | 生物・生体工学 / 植物 / 発現制御 / ポリソーム / マイクロアレイ |
Research Abstract |
双子葉植物ではRNA当たりの翻訳量を数十倍以上高める翻訳エンハンサーが知られているが、商業作物として重要な単子葉植物で効果的に機能する翻訳エンハンサーの報告はない。本研究は、単子葉のモデル植物であるイネで機能する翻訳エンハンサーをゲノムスケールで探索し、有用組換え植物作出への活用を図るとともに、高翻訳効率を規定するmRNA内の共通配列に迫ることを目的としている。 1.翻訳エンハンサーの検証 昨年度行なったポリソーム/マイクロアレイ解析により、翻訳が行なわれているポリソーム画分である第1~3画分と、より活発に翻訳が行なわれており、翻訳エンハンサーを持つmRNAが含まれると予想される第1画分に存在するmRNAの存在比をLarge polysome score (LPS)として数値化した。数値が高かったmRNA、すなわち翻訳エンハンサーを持つ候補mRNAの5'UTRが、確かに翻訳エンハンサーであることを確認するために、各種5'UTR(30種類)をレポータールシフェラーゼ遺伝子に連結したベクターを構築した。今後、このベクターよりin vitroにて合成mRNAを作製し、イネ培養細胞プロトプラストを用いた一過性発現実験を行う予定である。また、ハウスキーピング遺伝子(LPS値の低いリボソームタンパク質など)の5'UTRを持つ合成mRNA等を対称とする。 2.共通要素の抽出およびその検証 今後、「1.翻訳エンハンサーの検証」により、確かに翻訳エンハンサーであると認められたものについてin silicoで解析する。一次配列、二次構造などの特徴についての共通要素を抽出する。加えて、どのような遺伝子が効率良く翻訳されているのかを知るために、コードされているタンパク質の機能についても合わせて分類する予定である。
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[Journal Article] Short Period of Mannitol but not LiCl Stress Leads to Global Translational Repression in Plants.2010
Author(s)
Matsuura, H., Kiyotaka, U., Ishibashi, Y., Kubo, Y., Yamaguchi, M., Hirata, K., Demura, T., Kato, K.
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Journal Title
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 74
Pages: 2110-2112
Peer Reviewed
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