2011 Fiscal Year Annual Research Report
イネで機能する翻訳エンハンサーのゲノムスケールでの探索
Project/Area Number |
21580413
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 晃 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80283935)
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Keywords | 生物・生体工学 / 植物 / 発現制御 / ポリソーム / マイクロアレイ |
Research Abstract |
双子葉植物ではRNA当たりの翻訳量を数十倍以上高める翻訳エンハンサーが知られているが、商業作物として重要な単子葉植物で効果的に機能する翻訳エンハンサーの報告はない。本研究は、単子葉のモデル植物であるイネで機能する翻訳エンハンサーをゲノムスケールで探索し、有用組換え植物作出への活用を図るとともに、高翻訳効率を規定するmRNA内の共通配列に迫ることを目的としている。 1.翻訳工ンハンサーの検証 昨年度までに行なったボリソーム/マイクロアレイ解析により、翻訳エンハンサーを持つと予想される候補mRNAを選択した。今年度はこれら候補mRNAの5'UTR(89種類)をレポータールシフェラーゼ遺伝子に連結した合成mRNAを作製し、イネ培養細胞プロトプラストを用いた一過性発現実験を行い、翻訳エンハンサー活性をそれぞれ評価した。その結果、これまでに研究代表者がイネ型翻訳エンハンサーとして既に報告した5'UTR(通常の5'UTRの約10倍の翻訳活性)と比較して2倍以上の翻訳活性を持つ5'UTRを複数取得することに成功した。また、これら5'UTRは、他の単子葉植物(ライムギ等)でも高い翻訳エンハンサー活性を持つことから、単子葉型翻訳エンハンサーとしての利用が期待される。 2.共通要素の抽出およびその検証 翻訳エンハンサー活性の高かった複数の5'UTRについて、相同性検索等を行ない、共通要素の抽出を試みたが見いだすには至らなかった。「1.翻訳エンハンサーの検証」での翻訳活性の違いは、評価に用いた5'UTRに起因するので、今後、インフォマティッグスの手法も取り入れ、in silicoにて一次配列、二次構造などの特徴について、より詳細に解析する予定である。
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[Journal Article] High level expression of transgenes by use of 5'-untranslated region of the Arabidopsis thaliana arabinogalactan-protein 21 gene in dicotyledons2012
Author(s)
Matsui, T., Matsuura, H., Sawada, K., Takita, E., Kinjo, S., Takenami, S., Ueda, K., Nishigaki, N., Yamasaki, S., Hata, K., Yamaguchi, M., Demura, T., Kato, K.
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Journal Title
Plant Biotechnology
Volume: (in Press)
Peer Reviewed
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