2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590011
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
津田 正史 Kochi University, 教育研究部・総合科学系, 教授 (10261322)
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Keywords | 渦鞭毛藻 / 殺細胞活性 / 二次代謝産物 |
Research Abstract |
2009年、西表島、小浜島、久米島の海岸にて潮間帯の砂泥を収集し、栄養塩添加無菌海水培地を加えてインキュベートすることで生育する海洋産渦鞭毛藻の単細胞分離を行った。185クローンのAmphidinium株の樹立に成功した。これら渦鞭毛藻株について、マクロリド産生能を評価する遺伝子プライマーを用いた単細胞PCRを検討したところ、140株にマクロリド産生能を示すことがわかった。マクロリド産生能をもつと判断されたAmphidinium株について、16時間明期、8時間暗期の日周期、40μmolm^<-2>s^<-1>の光量子束密度の蛍光灯照明下、27℃の環境条件で、栄養塩添加無菌海水培地200mLにて2週間予備培養を行った。培養液を遠心分離機により藻体を濃縮し、凍結乾燥により乾燥藻体を得た。得られた乾燥藻体をトルエンとメタノールの混合溶媒にて抽出し、ヒト上皮ガンKB細胞に対する殺細胞活性と、抽出物に含まれる二次代謝産物の二次元TLC解析を検討した。Amphidinium KCAO9052株について、その抗腫瘍性成分を分離を試みた。 Amphidinolide P2は光学活性な無色の油状物質で、高分解能ESIMSよりC_<21>H_<32>O_5の分子式を持つことがわかった。^<13>C NMRスペクトルでは、エステル炭素1個、sp^2四級炭素1個、sp^2メチン2個、sp^2メチレン1個、6個のオキシメチン炭素を含むsp^3メチン9個、sp^3メチレン3個、4個のメチルの全21個の炭素シグナルが観察された。HMQCスペクトルを詳細に解析することにより、炭素に結合する水素シグナルを帰属した。分子式と^<13>C NMRデータを考え合わせ、3個の環を含むことが推定された。^1H-^1H COSY、TOCSY、HMBC、NOESYスペクトル詳細に解析することにより、Amphidinolide P2は、分子内にエポキシ環を2個、エキソメチレン基、分岐メチル3個、水酸基1個をもつ新規15員環マクロリド化合物であると帰属した。
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Research Products
(3 results)