2009 Fiscal Year Annual Research Report
不均一系パラジウム炭素を触媒とする芳香族アミノ化反応の開発
Project/Area Number |
21590014
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
門口 泰也 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (40433205)
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Keywords | パラジウム炭素 / 不均一系触媒 / 芳香族アミノ化反応 / 環境負荷低減 / 有機化学 / 機能性物質 / 合成化学 / 触媒・化学プロセス |
Research Abstract |
反応の進行に影響を及ぼすと予想される触媒量、ホスフィン配位子と塩基の種類、反応温度及び溶媒を詳細に検討した結果、芳香族ハロゲン化合物に対して2モル%の10%パラジウム炭素(Pd/C)、dppf(3モル%)及びナトリウムtert-ブトキシド(1.5当量)存在下1.5当量のアミン類をシクロペンチルメチルエーテル中還流すると芳香族アミン類が収率良く得られることが明らかとなった。本反応条件は芳香環上の官能基の電気的性質(電子求引性あるいは供与性)や置換位置に影響を受けず、様々なブロモベンゼン誘導体のアミノ化に適用可能であった。また、ブロモピリジンやクロロシアノベンゼンのアミノ化も円滑に進行し、芳香族ハロゲン化合物の幅広い基質一般性を明らかとした。さらに、アミン類の基質適用範囲を調べるべく様々なアミン類とブロモベンゼンとの反応を検討したところ、第二級鎖状脂肪族アミン類では低収率であったが、第一級脂肪族アミン類、第二級環状脂肪族アミン類及びモノアリールアミン類は優れたアミノ源であった。また、芳香族臭素化合物の使用量を調整することで、モノアリールアミン類からジアリールアミン類あるいはトリアリールアミン類を作り分けることに成功した。これらの成果に基づき、分子内にアミノ基と芳香族臭素が共存する、市販の2-ブロモフェネチルアミンの分子内でのカップリング反応を検討した。その結果、予期したインドリンではなく、その酸化体であるインドールが50%の収率で得られた。すなわち、本条件を用いると、カッブリングと酸化がワンポットで進行する。今後反応条件を精査することで、収率の向上を図るとともに、様々な2-ブロモフェネチルアミン誘導体を基質とすることで新規インドール誘導体合成法として確立する。
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