2009 Fiscal Year Annual Research Report
固体触媒・固体基質・固体試薬による完全固相触媒反応
Project/Area Number |
21590015
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐治木 弘尚 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (50275096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門口 泰也 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (40433205)
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Keywords | 固体触媒 / 固相触媒反応 / 接触還元 / 鈴木-宮浦反応 / パラジウム / プロセス化学無溶媒 / 混合 |
Research Abstract |
本申請研究では、Pd/Cに代表される不均一系白金族触媒による接触還元及びC-Cカップリング反応を無溶媒反応として確立する事を目的としている。当該年度は、「無溶媒(固相-固相-気相)接触還元反応」に関しては、アルケン、アルキン、ニトロ、エポキシド、N-Cbz、ベンジルエーテル、ベンジルエステル等、様々な還元性官能基を有する多様な基質の適用性を確認し、極めて一般的な手法として確立することができた。接触還元反応は、基質を溶媒に溶解した上で、触媒である不均一系触媒との接触効率を向上するため激しく撹拌する必要があると信じられてきたが、本研究により、還元性基質とパラジウム炭素を水素雰囲気下に「混合」するのみで接触還元が進行する事が実証された。一方、芳香族ハロゲン化物と芳香族ホウ素化合物とのカップリングである鈴木-宮浦反応は、医薬品など生物活性物質や液晶材料等機能性材料の部分構造として重要なビアリール骨格の構築に不可欠な反応である。これを無溶媒・完全固相条件で遂行する「無溶媒(固相-固相-固相)鈴木-宮浦カップリング反応」について検討した。その結果、固体の無機塩基存在下、Pd/Cを触媒とする固体試薬による無溶媒鈴木-宮浦反応が80℃~100℃で恒温振盪機を用いて振盪するのみで良好に進行し、最高72%の収率でカップリング体が得られることを確認した。この反応は多様な基質に適用できることから、極めて一般性が高い。さらに溶媒を使用しないため、反応容器の小型化を含めたプロセス化学的観点からの実用性が期待される。次年度以降で本反応条件をさらに最適化し、収率の向上を図る予定である。 当該年度の研究成果は,現在学術論文として投稿すべく準備中である。
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Research Products
(4 results)