2011 Fiscal Year Annual Research Report
生命現象解明のための機能性糖関連物質の創製と創薬への応用
Project/Area Number |
21590021
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高橋 秀依 帝京大学, 薬学部, 教授 (10266348)
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Keywords | 糖 / 糖鎖 / エーテル結合糖 / グリコシル化 / 糖尿病 / レベッカマイシン / SAM法 / PA化法 |
Research Abstract |
化学的に安定な新しい糖関連機能性分子を化学合成によって創出し、生命現象の解明のためのツールとして用いることを目的とした。具体的には(1)~(3)を行った。 (1)化学的に安定な糖連結体の創製とこれを用いた血糖値降下機構の解明 一般にグリコシル結合(アセタール結合)は、酸や塩基に対して十分な安定性を有していないため、糖鎖も比較的容易に切断され得る。このような不安定性は糖鎖を扱う上で難点の一つと考えられる。現在までこのような問題点を解決するために多くの研究が行われているが、糖を連結することを目的とするならば、グリコシル結合ではなく、より安定かつ容易に形成できる結合法を開発すべきである。そこで、オキシランの開環反応を利用したエーテル結合形成反応を開発し、D-アルトロースがグリコシル結合及びエーテル結合したハイブリッド糖を合成することに成功した。このような新しい糖関連物質を用いて血糖降下機構解明をめざした。 (2)糖鎖構造の認識機構解明のための新しい分析法の開発 糖鎖の複雑な構造を生体がどのように認識するのか、その精緻な認識機構の解明のために糖鎖の標的となるペプチドを探索した。そのためにSAM法及びPA化法をより実用的な方法として開発した。 (3)糖類のもたらす三次元的な構造を活かした新しい糖含有生理活性物質の創製 糖を含有する生物活性物質としてレベッカマイシンの誘導体の全合成を行った。レベッカマイシンのアグリコン部位に立体障害となり得る置換基を導入し、これにより、糖部位との連結部位のコンポメーションを制御することを試みた。グリコシル化反応を検討することによって、α結合体とβ結合体をつくりわけることに成功し、それぞれの三次元構造を明らかにした。
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Research Products
(4 results)