2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590024
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
伊藤 久央 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70287457)
|
Keywords | 合成化学 / 生理活性 / 天然物 / 全合成 |
Research Abstract |
特異な骨格を有する海産天然物の効率的合成法の開発というテーマのもと,申請者の所属する研究室で沖縄近海産軟体サンゴより単離構造決定を行ったヨナロライドの全合成研究について検討した.ヨナロライドは海産ノルジテルペノイドであり,5員環,6員環,7員環の炭素環が直列し,さらにγ-ラクトンを有する興味深い4環性化合物である.平成21年度と平成22年度の検討で達成した左側三環性骨格の,平衡条件下でのretro-Michael反応,Michael反応,アルドール縮合を駆使した立体選択的合成法に関した論文が今年度Tetrahedron Lett.誌に掲載された.平成23年度は右側骨格構築のための反応を検討した.その結果,Cope転位反応を用いたモデル化合物での7員環構築に成功した.また,不斉触媒を用いたエナンチオ選択的還元反応(CBS還元)による左側骨格の光学活性体での合成についてもその足がかりとなる結果を得ており,左側骨格合成における重要中間体を光学純度89%で合成している.さらに左側骨格合成のための中間体に右側骨格構築の足がかりを導入した化合物の合成の検討を行ったが,四環性骨格の構築までには至っていない.今後さらなる検討を行い,左側骨格合成の後にCope転位による全合成の検討と並行し,右側骨格を先に構築した後に,先に述べた平衡を利用した左側骨格の合成による全合成経路の開発を目指し,ヨナロライドの不斉全合成を達成する予定である.
|
Research Products
(1 results)