2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合性インドールアルカロイドおよびキノロン類の合成とその抗腫瘍活性
Project/Area Number |
21590025
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小中原 猛雄 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (80084333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 教郎 東京理科大学, 理工学部, 講師 (00328569)
池田 玲子 東京理科大学, 理工学部, 助教 (60516441)
KIRAN Y.B. 東京理科大学, 理工学部, PD (50468708)
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Keywords | 抗腫瘍剤 / β-カルボリン / エリプチシン / ピリジン / ピリミジン / アポトーシス / ヘテロ環 / フルオラス |
Research Abstract |
一連の6-,8-,または6,8-置換3-ベンジルアミノ-β-カルボリン誘導体を合成し、その抗腫瘍活性を調べた。その結果、8-メチルアミノ-3-(3'-フェノキシ)ベンジルアミノ-β-カルボリンが、これまでに最も高い活性を示した3-(3'-フェノキシ)ベンジルアミノ-β-カルボリンよりも優れた抗腫瘍性を示すことが明らかになった。また、これらの化合物はアポトーシスを誘導することが蛍光顕微鏡観察によるクロマチンの断片化、DNAラダーの観察、FACS解析結果から推定された(Eur.J.Med.Chem., Submitted)。また、フルオラスタグをもつβ-カルボリン誘導体をフルオラスレジンに坦持させて行うフルオラス固相合成法を新しく開発し、この方法によるβ-カルボリン誘導体の合成が従来の液相合成法に勝ることを明らかにした。一方、エリプチシン誘導体については、これまでに合成例がほとんど報告されていない11位メチル基を修飾した誘導体の合成にはじめて成功した。これらの化合物の抗腫瘍活性を現在評価中である。さらに、鈴木-宮浦カップリング反応を応用した、より簡便で低コストで達成できるエリプチシンの新規合成法を開発した(Tetrahedron Lett., 2010, 51, 2335-2338)。 β-カルボリンがアポトーシスを誘導する機構を分子生物学的に検討した結果、α-チューブリンに作用していることがアフィニティクロマトグラフィー、TOF-MS、m-RNAの発現量の観察結果より推定された。α-チューブリンに作用する薬剤の報告例はこれまでになく、新しいタイプの抗腫瘍剤の開発につながると期待される(投稿準備中)。 最後に、新しい抗腫瘍剤としての用途が期待されるピリドンおよびキノロン骨格の新規構築法を種々検討した。その結果、ピリジン環の新規構築法を4種類、ピリミジン環の構築法を4種類、ピロール骨格構築法を2種類新たに開発することができ、これらを応用してピリドンおよびキノロン誘導体を合成することに成功した(Eur.J.Org.Chem., 2009, 5738-5743 ; Org.let., 2009, 11, 2161-2164)。
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Research Products
(36 results)