2009 Fiscal Year Annual Research Report
エジプト産天然薬物を素材としたメタボリックシンドローム予防物質の探索
Project/Area Number |
21590031
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉川 雅之 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (90116129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 久司 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40288593)
中村 誠宏 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (20411035)
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Keywords | エジプト天然薬物 / メタボリックシンドローム / 伝承薬物 / 抗糖尿病作用 / 抗肥満作用 / PPARγアゴニスト様活性 / モロヘイヤ / マリアハンド |
Research Abstract |
本研究では、世界最古と言われるエジプト天然薬物に看目し、糖尿病や肥満に対する新規医薬品シード化合物の開拓あるいは機能性素材の開発を志向した探索研究を行うことを目的としている。今年度は、糖尿病や肥満症予防に有効と判断されるエジプト天然薬物の抽出エキスについて、抗糖尿病シーズおよび抗肥満症シーズの探索を行った。すなわち、i)in vivoにおける糖負荷ラットにおける血糖値上昇抑制作用試験を実施するとともにii)in vitroスクリーニング(α-グルコシダーゼ阻害活性、アルドース還元酵素阻害活性、後期糖化産物産生抑制活性、インスリン抵抗性形成抑制活性、PPARγアゴニスト様活性)を行うことで抗糖尿病シーズの探索を進めた。また、抗肥満症シーズの探索については、i)オリーブ油負荷ラットにおける血中中性脂質上昇抑制作用(in vivoによる絞り込み)を実施するとともに、ii)膵リパーゼ阻害活性、細胞脂肪分解作用、脂肪細胞分化抑制作用、PPARαアゴニスト様活性スクリーニング(in vitro)を実施した。その結果、モロヘイヤ(タイワンツナソ、Corchorus olitorius、葉部)にPPARγアゴニスト様の3T3-L1細胞における分化誘導促進(抗糖尿病)作用を見出した.さらにモロヘイヤ葉部の含有成分の探索を行い、(9Z,13E,15Z)-12-hydroxypoctadeca-9,13,15-trienoic acidなどの脂肪酸やフラボノイドなど計6種の成分を単離した。現在、得られたモロヘイヤの含有成分の抗糖尿病活性についての検討を行っている。その他、エジプト民間薬マリアハンド(Anastatica hierochuntica)全草の抽出エキスおよびその主要成分であるフラボノイドやリグナン類にメラニン産生抑制活性を見出すなど平成21年度の当初計画をほぼ達成したものと考える。
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