2011 Fiscal Year Annual Research Report
エジプト産天然薬物を素材としたメタボリックシンドローム予防物質の探索
Project/Area Number |
21590031
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉川 雅之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90116129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 久司 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40288593)
中村 誠宏 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (20411035)
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Keywords | エジプト天然薬物 / メタボリックシンドローム / 伝承薬物 / 抗糖尿病作用 / 抗肥満作用 / PPARγアゴニスト様活 / Anastatica hierochuntica / 分化誘導促進作用 |
Research Abstract |
本研究では、世界最古と言われるエジプト天然薬物に着目し、糖尿病や肥満に対する新規医薬品シード化合物の開拓あるいは機能性素材の開発を志向した探索研究を行うことを目的としている。すなわち、エジプト伝統医学において抗肥満、抗糖尿病、抗動脈硬化と解釈される薬効が伝承され、食経験があるなど安全性が確立している薬用植物を厳選し、探索資源とする。そしてin vitroおよびin vivo試験を組み合わせたアッセイ系を構築応用し、メタボリックシンドロームを予防する物質の単離を行う。さらに、発見した活性物質から化学修飾した誘導体や関連化合物の活性を比較検討して、活性発現の必須構造などの構造と活性相関を解析するとともに、顕著な活性を示す化合物についてその作用メカニズムを解明することによって新しい抗肥満・抗糖尿病薬開発のためのシード化合物またはリード化合物の開発をめざす。今年度は、エジプト民間薬マリアハンド(Anastatica hierochuntica)全草のフラボノイドやリグナン成分について、昨年度に引き続きPPARγアゴニスト様の3T3-L1細胞における分化誘導促進(抗糖尿病)作用や中性脂質の上昇抑制作用などの検討を行った.また、アフリカ東北部からアラビア沿岸部にかけて自生するカンラン科(Burseraceae)植物の潅木の幹から採取される樹脂である乳香(Olibanum)から得られた種々のテルペン類を用いて上述の分化誘導促進作用の検討を行った。さらに、昨年に引き続きエジプトで抗糖尿病などの目的で用いられるウリ科植物Bryonia creticaおよびCitrullus colocynthisの含有成分の探索を行い、数種のククルビタン型トリテルペン類を単離した。
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