2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590035
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
東屋 功 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (50276755)
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Keywords | 環状分子 / 分子認識 / 環境応答分子 / McMurry coupling / ジアゾ化合物 |
Research Abstract |
本年度は、環境応答部位として光によるcis/trans異性を示すアゾ基をもっ環状芳香族アミドの合成、ならびに新規環構造の構築を目的としてマクマリーカップリングを用いた大環状オレフィンの合成について検討した。 ジアゾ基をもつ環状芳香族アミドの合成について、まず両端にニトロ基をもつN-メチルベンズアニリドをモノマーとし、ニトロ基同士同士の還元的カップリングを試みたが、目的の環状化合物は得られなかった。次にtrans-アゾベンゼン骨格をもつメチルアミノカルボン酸をモノマーとし、Ph3PC12を縮合剤として反応を行ったところ、環化体の混合物が得られた。このうち環状三量体、環状四量体を単離してそれぞれX線結晶解析を行うことができた。環状四量体は結晶中やや折れ曲がった構造をとっており、これが一直線上に並びチャンネル構造を形成していた。 マクマリーカップリングを用いた大環状オレフィンの合成について、まず1,4-ジアセチルベンゼンをモノマーとし、一段階で環構造を得る条件について検討した。その結果、四塩化チタン、亜鉛の系において原料に対しそれぞれ10当量、20当量を用いると最も高い収率で環状三量体が得られることがわかった。次に芳香環に2つ以上のアシル基をもつさまざまな化合物をモノマーとしてマクマリーカップリングを行い、ビフェニル骨格、p-テルフェニル骨格、m-テルフェニル骨格、ジフェニルメタン骨格をもつ環状オレフィンを得た。このうちビフェニル骨格およびp-テルフェニル骨格をもつ環化体では環状三量体、またm-テルフェニル骨格、ジフェニルメタン骨格をもつ環化体では環状二量体についてX線結晶構造解析を行い、その構造を明らかにした。 本年度に得られた知見は、次年度に行う「環境応答部位をもっさまざまな官能基をもつ環状化合物群の合成」に繋がる成果である。
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Research Products
(3 results)