2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590035
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
東屋 功 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (50276755)
|
Keywords | 環状分子 / 分子認識 / 環境応答分子 / McMurry coupling / ジアゾ化合物 |
Research Abstract |
本年度は、金属配位能をもつリンカー、並びに水素結合可能部位としての第二級アミドをもつ環状芳香族アミドの合成について検討した。 1. 金属配位能をもつ大環状分子の合成 金属配位部位として、エーテル酸素をもつ環状化合物の合成を行った。ジフェニルエーテル骨格をもつN-アルキルアミノカルボン酸をモノマーとし、Ph3PC12を用いて縮合を行ったところ、主に環状二量体と環状四量体を主生成物として得た。N-上のアルキル基としては、エチル基、4-メトキシベンジル基、3,4-ジメトキシベンジル基を用い、縮合反応を行った混合物をGPCを用いて分離した。得られた環状アミドのうち結晶化したものについて単結晶X線解析を行ったところ、メトキシベンジル基をもつ環状二量体、エチル基をもつ環状二量体と四量体について、疑似チャンネル構造が見られた。 2. 第二級アミド結合をもつ大環状分子の合成 上記に1で得られたp-メトキシベンジル基をもつ環状アミドについて、種々の条件下p-メトキシベンジル基の脱保護による第二級アミドの合成を試みたが、脱保護に至らなかった。3,4-ジメトキシベンジル体について、引き続き検討を行う。また、脱保護後の分子の極性を考慮し、リンカーとして脂溶性の高いシクロヘキサン環(1,1-ジフェニルシクロヘキサン骨格)をもつ環状アミドの合成を行った。 3. 合成した大環状化合物の機能評価 これまでに得られた環状化合物について、種々の結晶化条件にて結晶化を行ったところ、ジアゾ基をもつ環状芳香族アミドを始め、いくつかの化合物に溶媒分子を含むチャンネル構造の形成が見られた。しかし、現在のところ分子の吸脱着等の機能評価には至っていない。環境応答性官能基をもつ環状化合物の合成と機能評価とを合わせ、次年度継続して評価を行う。
|