2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590035
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
東屋 功 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (50276755)
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Keywords | 外部環境応答 / 機能性材料 / 分子包接 / 立体配座 / 大環状化合物 / 芳香族アミド / アゾベンゼン / 単結晶X線構造解析 |
Research Abstract |
光や温度、水素イオン濃度や金属イオン濃度などの変化に対して構造を変化させる分子は、外部環境応答能をもつ機能性材料としてだけでなく、ドラッグデリバリーシステムにおける薬物包接および放出に関わる部分構造に応用することが可能である。本研究課題では、小分子に対する包接能をもつ大環状分子に対し、外部環境に応答し優先的コンフォメーションを大きく変える部分構造を組み込むことにより、取り込んだ小分子を外部環境の変化に応じて効率よく放出する機能をもつ大環状分子群の創成を目指した。今回、アルキル基を有する第三級アミドと4-メトキシベンジル基を有する第三級アミドが交互に結合した大環状ヘキサアミドを、芳香族アミドの立体配座を利用した構造変換による環境応答型材料として合成した。さらに4-メトキシベンジル基を脱保護することで、シス型配座を優先する第三級アミドが第二級アミドに変換し、トランス型配座を優先することで構造変換が起こることを確認した。すなわち、単結晶X線構造解析より、第三級アミドからなる大環状ヘキサアミドは折りたたまった構造を、第二級アミドと第三級アミドが交互に結合した大環状ヘキサアミドは大きなキャビティを有した構造をしていることが明らかとなった。一方、アゾベンゼン骨格をもつ大環状芳香族アミドを合成し、光応答型材料の開発を行なった。アゾベンゼン骨格をもつアミノカルボン酸誘導体をパネル構造として用い、環化縮合反応によって共有結合性の環状化合物を構築した。得られた三量体、四量体、六量体をそれぞれGPCによって単離し、単結晶X線構造解析によって構造を明らかにした。光照射前の三量体は三角型の環状構造をもち、空孔内部にヘキサン分子を結晶溶媒として取り込んでいた。また四量体はくさび形構造をもち、空孔内にクロロホルム分子を取り込んでいた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Calix[3]amide-based Anion Receptors : High Affinity for Fluoride Ions and a Twisted Binding Model2011
Author(s)
Katagiri, K., Furuyama, T, Masu, H., Kato, T., Matsumura, M., Uchiyama, M., Tanatani, A., Tominaga, M., Kagechika, H., Yamaguchi, K., Azumaya, I.
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Journal Title
Supramolecular Chemistry
Volume: 23
Pages: 125-130
DOI
Peer Reviewed
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