2010 Fiscal Year Annual Research Report
全反射型テラヘルツ、NMR、熱及び粘度測定による薬物溶液構造の解明
Project/Area Number |
21590038
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森部 久仁一 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (50266350)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 恵司 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (50110341)
東 顕二郎 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (40451760)
|
Keywords | 溶液構造 / NMR / テラヘルツ / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
異なる粉砕方法により様々な粒子径のピロキシカムナノ微粒子を調製し、粒子径の違いが薬物の皮膚透過性に与える影響について検討した。ピロキシカム、ポリビニルピロリドン、ドデシル硫酸ナトリウムを重量比1:3:1で混合し、振動型ロッドミル、ボールミルで粉砕することにより混合粉砕物を調製した。調製した試料の緩衝液中における平均粒子径は約23nm、173nm、2.1μmであった。皮膚透過試験の結果、物理的混合物と比較し皮膚透過量はいずれも有意に増加した。特に粒子径が約23nmの試料で大幅に増加したことから、ナノ微粒子化・可溶化は皮膚透過性の改善に有用であった。 メフェナム酸(MFA)/Eudragit EPOの系について、混合粉砕法で固体分散体を調製し、固体及び溶液の物性評価を行った。低温粉砕物(cryo-GM)では粉末X線回折測定においてハロパターンが観測されたこと及び固体^<13>C-NMR測定においてMFA由来のピークのブロード化が観察された。このことからcryo-GM中においてMFAはEPOのマトリックス中に単分散した非晶質状態で存在していると考えられた。cryo-GMを0.1M酢酸緩衝液に分散させたところ、MFA濃度として3mg/mLまで溶解するのが観察され、これはMFAの溶解度(2.2μg/mL)と比較して著しく高い値であった。cryo-GM分散液の溶液^1H-NMR測定を行ったところ、MFA分子に由来するピークが観察され、MFAはcryo-GM分散液中で、単分子分散に近い状態で存在していると推察された。また、分散液中でMFAはEPOと相互作用しており、運動性が抑制された状態で存在していると考えられた。
|