2011 Fiscal Year Annual Research Report
全反射型テラヘルツ、NMR、熱及び粘度測定による薬物溶液構造の解明
Project/Area Number |
21590038
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森部 久仁一 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (50266350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 恵司 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (50110341)
東 顕二郎 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (40451760)
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Keywords | NMR / 溶液 / 分子状態 / ナノ微粒子 / 可溶化 |
Research Abstract |
難溶性薬物/水溶性高分子/界面活性剤3成分混合粉砕法で調製した薬物懸濁溶液について、溶液中に存在している可溶性成分の分子状態を溶液NMR測定により、水に分散している結晶成分の存在を懸濁状態MR測定により評価した。プロブコール(PBC)、ポリビニルピロリドンK12(PVP)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を重量比1:3:1で混合し、振動型ロッドミルで粉砕することにより混合粉砕物を調製した。調製した試料の緩衝液中における平均粒子径は、動的光散乱法で評価したところ約150nmで、cryoSEM測定によって観察されたサイズに近い値であった。懸濁液の溶液NMR測定では、PVPとSDSの相互作用が観察されたものの、PBC由来のピークは観察されなかった。懸濁状態NMR測定を行った結果、PBC結晶の存在が確認された。また、懸濁液を凍結乾燥した試料の固体NMR測定と再懸濁した試料の粒子径測定によりPBCナノ結晶の存在が確認された。このように溶液状態、懸濁状態、固体状態のNMR潰掟を併用して評価することでナノ微粒子や溶解している成分の分子状態を評価可能であることが明らかになった。 難溶性薬物/ヘスペリジン(ビタミンP)のグルコース結合体(Hsp-G)の噴霧乾燥物を用いた可溶化溶液について、溶液中での構造評価を行った。Hsp-Gの臨界ミセル濃度は5.0mg/mLであるものの、界面活性能は他の一般的な界面活性剤と比べると低く、NMRのケミカルシフト変化も非常に緩やかだった。動的光散乱法による粒子径測定と2次元Nuclear Overhauser Effect(NOE)測定により、Hsp-Gがコアーシェル型のミセル構造を形成すること、難溶性薬物が疎水性相互作用を介してコアに封入されることが明らかとなった。
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