2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590044
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
白幡 晶 城西大学, 薬学部, 教授 (50150107)
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Keywords | ポリアミン / 分子修飾 / 腸管吸収 / N-acyltransferase(NAT) / スペルミン / アシル基転移反応 / ポイアミンアナログ |
Research Abstract |
今年度は、(1)ポリアミンの分子修飾の可能性の探索および(2)分子修飾ポリアミンの水溶性高分子モデル化合物の腸管吸収への影響について検討した。 (1) ポリアミンが修飾される可能性を探るために、細胞内反応のN-acyltransferase(NAT)に着目した。NATは細胞膜のリン脂質であるホスファチジルコリンの5π1位の脂肪酸残基をホスファチジルエタノールアミンのアミノ基に転移する酵素である。この転移反応の際にアミンが共存した場合、アミンへのアシル基転移化合物が生成するかどうか実験した結果、NATによる細胞膜リン脂質問のアシル基転移反応の際、共存する生体アミンへの転移反応が副次的に進行する可能性が示された。 (2) ポリアミンによる腸管吸収促進作用機構を解明するために、水溶性高分子モデル化合物の腸管吸収への影響を検討した。さまざまなポリアミン類縁体を合成し、ポリアミンの鎖長及び電荷数が腸管吸収に及ぼす影響を調べたところ、スペルミン(spm)の腸管吸収促進作用には、メチレン鎖長よりも電価による影響が大きい可能性がわかった。アシルスペルミン(Acyl spm)による腸管吸収への影響を検討した結果、脂肪酸の炭素鎖が長いもので、投与直後より顕著な吸収促進がみられ、その作用はspmより強いことが明らかになった。これはAcyl spmの疎水性部分が小腸上皮への到達を早めた可能性やAcyl spmがミセル形成するなど、spmとは異なるメカニズムで吸収促進作用を発現している可能性が考えられた。 今年度の結果からポリアミンが分子修飾される可能性が示され、分子修飾ポリアミンが化合物の腸管吸収に影響を与えることが示唆された。
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