2011 Fiscal Year Annual Research Report
MN・EPシステムを付与した経皮パッチによるバイオ治療薬デリバリーシステム
Project/Area Number |
21590045
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
杉林 堅次 城西大学, 薬学部, 教授 (00105834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 浩明 城西大学, 薬学部, 助教 (10383184)
石井 宏 城西大学, 薬学部, 助手 (90383182)
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Keywords | エレクトロポレーション / マイクロニードル / 皮膚透過性改善 / 経皮パッチ / 高分子医薬品 / 微粒子送達 |
Research Abstract |
マイクロニードルアレイ(MN)を電極とする経皮パッチデバイスを用いたエレクトロポレーション(IN-SKIN EP)は、高分子モデル蛍光物質の皮膚透過性を増大させること、皮膚浅層部へ粒子径500nmのポリスチレンスフェアを送達可能であることを報告している。薬物濃度は薬効と強く関係するため、ナノスフェアなどの薬物を含有したキャリアが皮膚の生きた表皮や真皮まで送達可能であれば、高い効果を期待できる薬物デリバリーに有用となる。本年度は、微粒子の粒子径と皮内送達部位に及ぼすIN-SKIN EP処理の影響について検討し、バイオ治療薬を含有した微粒子製剤もしくは脂質ベシクルの生きた表皮・真皮への送達の可能性について調べた。 皮膚表面に適用した粒子径が50nmや500nmの微粒子は、MN単独処理により形成された新規透過ルートを介して皮膚表面から約20μmの深さまで送達可能であることが分かった。また、粒子径が6μmもの大きさになると粒子は皮内に移行しないことが分かった。MN処理を施さず、エレクトロポレーションのみ(ON-SKIN EP)を100V、10ms、10plusesの電気条件下で行うと微粒子を皮内に送達可能であったが、粒子の送達部位はMN単独処理と同様に皮膚の浅層部に留まった。一方、100V、10ms、10plusesの電気条件下でIN-SKIN EPを施すと、いずれのサイズの粒子も皮内に送達され、その到達部位は粒子径に依存し、50nmの粒子は新たに形成された小孔の最深部まで(約100μm)送達されていることが分かった。これらの結果より、IN-SKIN EPは、生きた表皮や真皮への微粒子や脂質ベシクルを送達可能である有用な方法であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)