2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリントポリマーを感応素子とした針状微小電位検出型人工免疫センサーの開発
Project/Area Number |
21590048
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
北出 達也 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10161481)
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Keywords | 分子インプリントポリマー / プラズマ重合膜 / 免疫センサー / ヒスタミン |
Research Abstract |
血液検査を血液を採取することなく、また苦痛を伴うことなく行うことを実現化するために、直径が1μm程度の超微小針状センサーの開発を行っている。超微小センサーは既存のセンサーの構造が複雑なため、既存のセンサーを単純に小さくすることにより作製することはできない。したがって、全く新しい発想による構造が単純なセンサーの開発が必要である。また、血液検査では分析目的物質が多くの場合有機化合物であるが、有機化合物に対するセンサーの開発は無機化合物と比較すると進んでいないのが現状である。そこで本研究では、有機化合物を分子認識するプラスチック(分子インプリントポリマー)を含浸したプラズマ重合超薄膜と、その表面に分析目的化合物が吸着した時に生じる電位を電気信号に変換するトランスデューサーとして機能する炭素膜の2層膜のみによる単純な構造を考案し、その有効性をヒスタミンを分析目的物質のモデル化合物として評価している。本来、センサーは分子認識部位である分子インプリントポリマー表面での電位変化のみを電気信号として取り出されるべきであるが、センサー表面にはプラズマ重合膜も一部露出しており、それが有機化合物に対する吸着性をもっておれば、取り出された電位変化に影響をおよぼす可能性がある。そこで、プラズマ重合膜を積層したグラファイトに対してヒスタミンが吸着性を有しているのか、吸着した時の電位変化が実際に影響をおよぼす程度なのかについて検討を行った。その結果ヒスタミンの吸着は少なからずあり、影響をおよぼす可能性があることがわかった。そこで現在、プラズマ重合膜を積層したグラファイトに対する応答性が少ない有機化合物を分析目的モデル物質として選定するために、応答性が少ない有機化合物を探索している。
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