2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリントポリマーを感応素子とした針状微小電位検出型人工免疫センサーの開発
Project/Area Number |
21590048
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
北出 達也 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10161481)
|
Keywords | 分子インプリントポリマー / プラズマ重合膜 / 免疫センサー / ヒスタミン |
Research Abstract |
血液検査を行いその数値の大小に基づいて健康状態を把握し生活改善を行うことは健康維持のために、また病気を未然に防ぐためには重要である。また、病気の治癒度の尺度として血液検査値は広く用いられている。しかし、現在行われている血液検査は多くの場合注射器による採血により行われているため、精神的・肉体的苦痛や負担を伴う。そのため成人はもとより特に幼児や老人にとっては必ずしも積極的に血液検査を行える現状ではない。そこで本研究では、いつでも、どこでも、気軽に、かつ安価な血液検査が可能となる新規な人にやさしい血液検査方法の開発を行っている。具体的には、採血することなく、血液検査を行うことを実現化するために、直径が1μm程度の超微小針状センサーの開発を行っている。このようなセンサーは既存のセンサーの構造が複雑なため、これを単純に小さくすることにより作製することはできない。したがって、構造が単純なセンサーの開発が必要である。そこで、特定の有機化合物のみを吸着するプラスチック(分子インプリントポリマー)を含浸したプラズマ重合超薄膜と、その表面に分析目的化合物が吸着した時に生じる電位を電気信号に変換する炭素膜の2層膜のみによる単純な構造を考案し、その有効性に関してヒスタミンを分析目的物質のモデル化合物として選び評価している。ヒスタミンを検出するセンサーはヒスタミンのみに応答し、他の化学種には応答しないことが重要である。本センサーの応答性能や選択性能について検討したところ、ヒスタミンに特異的に応答するものの、リシン、ピロール、2-アミノベンズイミダゾール等の他の化学種にも応答し選択性能がやや劣ることが分かった。現在、本センサーの選択性能を向上させるために、この原因を解明する検討を行っている。
|