2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590052
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
甲谷 繁 兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (00242529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 豪人 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (10289035)
吉岡 英斗 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (80435685)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / CO_2固定化 / 水素化反応 / 芳香族ケトン / 酸化還元反応 / 反応速度論 |
Research Abstract |
光触媒表面では、光励起により正孔と励起電子の活性種が生成し、特異なレドックス反応を引き起こすことができる。本研究ではこの可能性に着目し、平成22年度において、研究(1):複合型レドックス反応によるCO_2固定化反応の開発と、研究(2):複合型レドックス反応による高効率還元反応系の開発、の二つの研究テーマを推進した。 まず研究(1)において、代表者(甲谷)と分担者(宮部)は、励起電子によるCO_2還元と正孔によるエタノールの酸化を組み合わせた複合レドックス反応が、常圧下で進行し、乳酸へと効率よく合成できるかを検討した。光触媒には、タンタル酸系光触媒のうち、特徴的な表面ステップ構造をもつランタンドープ型のタンタル酸ナトリウム光触媒(La : NaTaO_3)を利用し、銀微粒子を助触媒として、上記反応を検討した。その結果、乳酸への合成には至らないが、CO_2還元によるギ酸の生成が認められた。また、ギ酸、乳酸、および酢酸の生成を効率よく分離して、高感度で分析できる蛍光ラベルHPLC法の確立に成功した。 研究(2)では、代表者(甲谷)と分担者(吉岡)が、酸化チタンによるアセトフェノンの2級アルコールへの還元について、アセトフェノンのメチル基をフッ素化することによる速度論的効果を詳細に検討した。その結果、アセトフェノンを基質とした場合、ラングミュアーヒンシェルウッド速度論モデルでうまく解析できることが明らかとなった。一方、2,2,2-トリフルオロアセトフェノン(TFA)の場合、1次反応速度則で解析できることが分かった。両者の速度論的挙動の違いは、反応の律速段階の違いにあると考察できる。アセトフェノンでは、光量律速ひいてはTiO_2上での表面反応が律速になっており、TFAでは、TiO_2上への基質の吸着過程が反応速度を支配する吸着律速になっていることが判明した。
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Research Products
(6 results)