2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590052
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
甲谷 繁 兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (00242529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 豪人 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (10289035)
吉岡 英斗 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (80435685)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / CO_2固定化 / 水素化反応 / 酸化還元反応 / 電子移動 / 反応速度論 |
Research Abstract |
光触媒表面では、光励起により正孔と励起電子の活性種が生成し、特異なレドックス反応を引き起こすことができる。本研究ではこの特性に着目し、研究(1):複合型レドックス反応によるCO_2固定化反応の開発と、研究(2):複合型レドックス反応による高効率還元反応系の開発、の二つの研究テーマを推進した。 研究(1)では、高い酸化還元能力を有するタンタル系酸化物光触媒(Ta_2O_5,NaTaO_3など)を用いて、エタノールとCO_2から乳酸を合成する反応を検討した。今のところ目的とする乳酸合成には成功していないが、数多くのタンタル系酸化物光触媒からCO_2の還元でギ酸が生成することを確認した。本研究成果より、多孔性細孔をもつチタン系光触媒あるいはCO_2を強力に還元できるタンタル原子で構成される多孔質光触媒が有効であることが示唆され、今後の研究の方向性が明確となった。 研究(2)では、TiO_2表面おけるアセトフェノン誘導体の光還元機構を明らかにするために、紫外光照射によりあらかじめTiO_2表面のバンドギャップ内にある電子捕捉準位に反応性電子を蓄積させたのち、過剰量の基質を注入してTiO_2から基質への電子移動を誘起し、生成物の同定・定量およびその時間変化を追跡した。その結果、TiO_2からアセトフェノン誘導体への電子移動は、全てTiO_2表面の電子捕捉準位を介して起こることが明らかとなった。また、電子移動量とアセトフェノン誘導体の還元電位との間に強い相関関係がみられたことから、TiO_2表面上での光還元反応は、TiO_2表面の電子捕捉準位からアセトフェノン誘導体への電子移動過程が全反応速度を支配していることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)