2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生医療に応用可能なエンド型コンドロイチン硫酸加水分解酵素の同定
Project/Area Number |
21590057
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 修平 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (70240017)
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Keywords | グリコサミノグリカン / コンドロイチン硫酸 / ヒアルロン酸 / 神経再生 / ヒアルロニダーゼ |
Research Abstract |
ヒトの生体内でのコンドロイチン硫酸(CS)の代謝に関与するエンド型の分解酵素を同定し、CSの代謝機構およびその調節機構を解明しようとしている。 本年度は以下の研究を行った。 1.ヒトヒアルロニダーゼHYAL4に関する実験: ヒトHYAL4遺伝子のクローニングを行い、発現ベクターにHYAL4遺伝子を組み込み、タグとの融合タンパク質として組換え体タンパク質を得た。アフィニティークロマトグラフィーを利用して組換えタンパク質を精製し、蛍光標識した基質あるいは標識していない基質に作用させた。酵素反応物のゲルろ過クロマトグラフィーあるいは陰イオン交換クロマトグラフィーによる分析から、CSが分解を受けたことを確認した。温度、pHなどの条件を変化させて消化反応を行ない、反応の至適条件を決定した。種々のCSバリアントを用いて反応を行い、詳細な基質特異性を検討した。また、ミカエリス定数Kmと最大反応速度Vmaxを求め、各基質間での親和性を定量的に比べた。さらに、酵素消化による分解産物の構造を質量分析の手法などを用いて決定した。その結果、HYAL4が特定の高硫酸化CS構造を特異的に認識することを明らかにし、CSに特異的なエンド型加水分解酵素を世界で初めて報告した。 2、その他の実験: 多様な構造をもったCSを得るため、種々の生物由来のCSの構造およびその生物活性を調べた。今年度は特に、イカ肝臓外皮、アフリカツメガエル、エイ軟骨のCSについて解析し、その成果を論文として公表した。また、新規の抗CS抗体も作製した。これら新規のCSや抗CS抗体は、今後のCSの解析に有効活用できると期待される。さらに、膵臓のランゲルハンス島のグリコサミノグリカンの解析も行い、ランゲルハンス島にはCSが殆ど存在しないことを初めて明らかにした。
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